アルベオラータ上門(Alveolata)

目レベルの分類(繊毛虫門は亜門まで)(Orders)

上門
Superphylum

Phylum
亜門
Subphylum
下門
Infraphylum
小門
Parvphylum
上綱
Superclass

Class

Order
アルベオラータ上門
Alveolata




































アルベオラータ上門
Alveolata
ミオゾア門
Miozoa



































ミオゾア門
Miozoa
ミゾゾア亜門
Myzozoa


































ミゾゾア亜門
Myzozoa
渦鞭毛動物下門
Dinozoa
渦鞭毛虫小門
Dinoflagellata
渦鞭毛核上綱
Dinokaryota
渦鞭毛藻綱
Dinophyceae
ギムノディニウム(ハダカオビムシ)目
Gymnodiniales
プティコディスクス目
Ptychodiscales
スエッシア目
Suessiales
ペリディニウム(ヒシオビムシ)目
Peridiniales
ゴニオラクス(ヨロイオビムシ)目
Gonyaulacales
ディノフィシス(カンムリムシ)目
Dinophysiales
プロロケントルム(フタヒゲムシ)目
Prorocentrales
フィトディニウム(有柄鞭毛藻)目
Phytodiniales
トラコスファエラ目
Thoracosphaerales
デスモカプサ目
Desmocapsales
ヤコウチュウ藻綱
Noctiluciphyceae
ヤコウチュウ目
Noctilucales
シンディニウム上綱
Syndina
シンディニウム綱
Syndinea
シンディニウム目
Syndinida
所属不明
incertae sedis
オキシリス綱
Oxyrrhea
オキシリス目
Oxyrrhida
パーキンサス小門
Perkinsozoa
パーキンサス綱
Perkinsea
パーキンサス目
Perkinsida
ラストリモナス目
Rastrimonadida
ファゴディニウム目
Phagodinida
所属不明
incertae sedis
エロビオプシス藻綱
Ellobiophyceae
タラッソミセス目
Thalassomycetales
アピコンプレックス下門
Apicomplexa
クロメラ上綱
Chromerea
クロメラ綱
Chromerea
クロメラ目
Chromerida
アピコモナス上綱
Apicomonada
アピコモナス綱
Apicomonadea
コルポデラ目
Colpodellida
ガモントゾア上綱
(胞子虫上綱)
Gamontozoa
(Sporozoa)
コクシディウム綱
Coccidea
アガモコクシディウム(リティドシスティス)目
Agamococcidiorida
イクソレイス目
Ixorheorida
原コクシディウム(エレウテロシゾン)目
Protococcidiorida
真コクシディウム目
Eucoccidiorida
グレガリナ綱
Gregarinea
原グレガリナ(エクソシゾン)目
Archigregarinorida
真グレガリナ目
Eugregarinorida
新グレガリナ(カウレリエラ)目
Neogregarinorida
ヘマトゾア綱
Hematozoa
住血胞子虫目
Haemospororida
ピロプラズマ(バベシア)目
Piroplasmorida
所属不明
incertae sedis
アクロシールス目
Acrocoelida
所属不明
incertae sedis
ミゾモナデア綱
Myzomonadea
ヴォロモナス目
Voromonadida
キロヴォラ目
Chilovorida
コルポネマ亜門
Colponemidia
コルポネマ綱
Colponemea
コルポネマ目
Colponemida
アルゴヴォラ目
Algovorida
繊毛虫門
Ciliophora
ポストシリオデスマトフォラ亜門
Postciliodesmatophora
イントラマクロヌクレアータ亜門
Intramacronucleata


分類表更新:2017年12月


アルベオラータ上門(Superphylum Alveolata)

渦鞭毛動物(渦鞭毛藻、ヤコウチュウなど)、アピコンプレックス(マラリア原虫など、クロメラ含む)、繊毛虫(ゾウリムシなど)などの仲間です。

細胞の表層にアルベオール(泡室、alveole)という構造を持つことからアルベオラータと呼ばれます。

分類階級は界とすることもあります。当サイトでは[Ruggiero et al. (2015)]に倣い上門としています。

ストラメノパイル上門、リザリア下界とともにSAR界(ハロサ亜界)に所属します。姉妹群は恐らくストラメノパイル上門(Stramenopiles)です。

内部分類は恐らく繊毛虫門とその他が姉妹群であり、その他をミオゾア門と呼ぶ学説もあります(当サイトでも採用)。

ミオゾア門(Phylum Miozoa)

アルベオラータ上門のうち、繊毛虫門を除く仲間が単系統である学説に基づいて設けられたクレードです。暫定的にミゾゾア亜門とコルポネマ亜門の2亜門から成ります。

ミゾゾア亜門(Subphylum Myzozoa)

ミオゾア門のうち、コルポネマ亜門を除く仲間が単系統である学説に基づいて設けられたクレードです。暫定的に渦鞭毛動物下門とアピコンプレックス下門、ミゾモナデア綱の2下門1綱から成ります。

渦鞭毛動物下門(Infraphylum Dinozoa)

渦鞭毛藻、ヤコウチュウ、パーキンサスなどの仲間です。渦鞭毛藻とそれに近縁な生物から成ります(パーキンサスなどを含みます)。

分類階級は門とすることもあります。当サイトでは[Ruggiero et al. (2015)]に倣い下門としています。

渦鞭毛虫小門(Parvphylum Dinoflagellata)

渦鞭毛藻、ヤコウチュウ、シンディニウム、オキシリスなどの仲間です。渦鞭毛藻とそれに近縁な生物から成ります(パーキンサスなどは除きます)。

分類階級は亜門あるいは上綱[Ruggiero et al. (2015)]とすることもあります。当サイトでは渦鞭毛核上綱(Dinokaryota)との兼ね合いから小門としています。

渦鞭毛藻綱(Class Dinophyceae)

渦鞭毛藻の仲間です。縦横2本の鞭毛を持つのが特徴です。ヤコウチュウを含める場合と含めない場合があり、当サイトでは含めていません(含める場合は渦鞭毛核上綱(Dinokaryota)とも)。

渦鞭毛藻の半分くらいは光合成を行いますが、持っている光合成色素は様々です。色素体の元となった生物も、紅色植物、緑藻植物、クリプト植物、ハプト植物、オクロ植物など様々です(二次光合成生物または三次光合成生物)。

残りの半分ほどは光合成を行わず、他の生物を捕食する従属栄養生物です。

ヤコウチュウ藻綱(Class Noctiluciphyceae)

Noctiluceaとも。ヤコウチュウの仲間です。光合成を行わず、他の生物を捕食する従属栄養生物です。

夜、青っぽく光ることからヤコウチュウ(夜光虫)と呼ばれます。昼に大発生した場合は赤潮の原因ともなります。

アピコンプレックス下門(Infraphylum Apicomplexa)

アピコンプレクサとも。マラリア原虫、トキソプラズマなどの仲間です。一部(アピコモナス(コルポデラ)やクロメラ)を除いて他の生物に寄生する寄生生物で、病原性を持つものも多く知られています。

クロメラ綱を除き、退化した色素体(アピコプラスト)を持っています(恐らく共生体の元は紅色植物)。クロメラ綱を除き、光合成は行いません。

分類階級は門とすることもあります。当サイトでは[Ruggiero et al. (2015)]に倣い下門としています。

クロメラ綱(Class Chromerea)

今のところクロメラ(Chromela velia)とビトレラ(Vitrella brassicaformis)の2種のみが知られています。サンゴから見つかっており、サンゴと共生関係を築いている可能性が高いです。

光合成を行い、光合成色素として、クロロフィルaを持っています。紅色植物を二次共生させた二次光合成生物(二次植物)です。

他のアピコンプレックスと姉妹群を成し、独立したクロメラ門(Phylum Chromerida)とすることもあります(当サイトの分類表なら下門)。

アピコモナス綱(Class Apicomonadea)

アピコモナス(コルポデラ)の仲間です。自由遊泳生活を行う鞭毛虫で、他の生物を捕食する従属栄養生物です。光合成は行いません。

ガモントゾア上綱(Superclass Gamontozoa)

胞子虫上綱(Sporozoa)とも。マラリア原虫、トキソプラズマ、グレガリナ、ピロプラズマなどの仲間です。アピコンプレックスの大半を占めます。

他の生物に寄生する寄生生物で、配偶子の時期を除いて鞭毛や仮足を持ちません。マラリア原虫やトキソプラズマのように病原性を持つものが多く知られています。光合成は行いません。

コルポネマ亜門(Subphylum Colponemidia)

コルポネマの仲間です。自由遊泳生活を行う鞭毛虫です。ミゾゾア亜門とともにミオゾア門に所属します。

繊毛虫門(Phylum Ciliophora)

ゾウリムシ、ラッパムシ、ツリガネムシなどの仲間です。全身に繊毛という毛を持っており、これを使って遊泳します。

ミオゾア門(渦鞭毛動物下門、アピコンプレックス下門など)とアルベオラータ上門を二分します。

色素体を持たず他の生物を捕食する生物が多いですが、一部に他の藻類を共生させていたり、他の光合成生物を捕食してこれを一定期間利用するもの(クレプトプラスチド(盗色素体)現象)も確認されています。


解説文更新:2019年08月03日

参考




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