子嚢菌門(Ascomycota)

目レベルの分類(Orders)


Phylum
亜門
Subphylum

Class
亜綱
Subclass

Order
子嚢菌門
Ascomycota







































子嚢菌門
Ascomycota







































子嚢菌門
Ascomycota
タフリナ菌亜門
Taphrinomycotina
タフリナ菌綱
Taphrinomycetes
タフリナ目
Taphrinales
ヒメカンムリタケ綱
Neolectomycetes
ヒメカンムリタケ目
Neolectales
ニューモシスティス綱
Pneumocystidomycetes
ニューモシスティス目
Pneumocystidales
シゾサッカロミセス綱
Schizosaccharomycetes
シゾサッカロミセス目
Schizosaccharomycetales
アーケオリゾミセス綱
Archaeorhizomycetes
アーケオリゾミセス目
Archaeorhizomycetales
サッカロミセス亜門
Saccharomycotina
サッカロミセス綱
Saccharomycetes
サッカロミセス目
Saccharomycetales
チャワンタケ亜門
Pezizomycotina







































チャワンタケ亜門
Pezizomycotina







































チャワンタケ亜門
Pezizomycotina
ホシゴケ菌綱
Arthoniomycetes
ホシゴケ目
Arthoniales
クロイボタケ綱
Dothideomycetes
クロイボタケ亜綱
Dothideomycetidae
カプノディウム目
Capnodiales
クロイボタケ目
Dothideales
ミリアンギウム目
Myriangiales
プレオスポラ菌亜綱
Pleosporomycetidae
プレオスポラ目
Pleosporales
モジカビ目
Hysteriales
ミティリニディオン目
Mytilinidiales
ヤーヌラ目
Jahnulales
所属不明
incertae sedis
ボトリオスフェリア目
Botryosphaeriales
パテラリア目
Patellariales
タテガタキン目
Microthyriales
トリペテリウム目
Trypetheliales
ユーロチウム菌綱
Eurotiomycetes
ケートチリウム菌亜綱
Chaetothyriomycetidae
ケートチリウム目
Chaetothyriales
サネゴケ目
Pyrenulales
アナイボゴケ目
Verrucariales
ユーロチウム菌亜綱
Eurotiomycetidae
ビンタマカビ目
Coryneliales
ユーロチウム目
Eurotiales
ホネタケ目
Onygenales
クギゴケ菌亜綱
Mycocaliciomycetidae
クギゴケ目
Mycocaliciales
ラボウルベニア菌綱
Laboulbeniomycetes
ラボウルベニア目
Laboulbeniales
ピクシディオフォラ目
Pyxidiophorales
チャシブゴケ菌綱
Lecanoromycetes
ホウネンゴケ菌亜綱
Acarosporomycetidae
ホウネンゴケ目
Acarosporales
チャシブゴケ菌亜綱
Lecanoromycetidae
チャシブゴケ目
Lecanorales
ツメゴケ目
Peltigerales
ダイダイキノリ目
Teloschistales
ピンタケ亜綱
Ostropomycetidae
アギリウム目
Agyriales
センニンゴケ目
Baeomycetales
ピンタケ目
Ostropales
トリハダゴケ目
Pertusariales
所属不明
incertae sedis
ロウソクゴケ目
Candelariales
イワタケ目
Umbilicariales
ズキンタケ綱
Leotiomycetes
シッタリア目
Cyttariales
ウドンコカビ目
Erysiphales
ビョウタケ目
Helotiales
リティスマ目
Rhytismatales
テレボルス目
Thelebolales
リキナ菌綱
Lichinomycetes
リキナ目
Lichinales
オルビリア菌綱
Orbiliomycetes
オルビリア目
Orbiliales
チャワンタケ綱
Pezizomycetes
チャワンタケ目
Pezizales
フンタマカビ綱
Sordariomycetes
ボタンタケ亜綱
Hypocreomycetidae
コロノフォラ目
Coronophorales
ボタンタケ目
Hypocreales
メラノスポラ目
Melanosporales
ミクロアスクス目
Microascales
フンタマカビ亜綱
Sordariomycetidae
ボリニア目
Boliniales
ケートスフェリア目
Chaetosphaeriales
コニオケータ目
Coniochaetales
ディアポルテ目
Diaporthales
オフィオストマ目
Ophiostomatales
フンタマカビ目
Sordariales
マグナポルテ目
Magnaporthales
カロスフェリア目
Calosphaeriales
クロサイワイタケ亜綱
Xylariomycetidae
クロサイワイタケ目
Xylariales
所属不明
incertae sedis
ルルワーチア目
Lulworthiales
メリオラ目
Meliolales
クロカワキン目
Phyllachorales
トリコスフェリア目
Trichosphaeriales
コラリオナステス目
Koralionastetales
テングノメシガイ綱
Geoglossomycetes
テングノメシガイ目
Geoglossales
所属不明
incertae sedis
ラーミア目
Lahmiales
メデオラリア目
Medeolariales
トリブリディア目
Triblidiales


分類表更新:2017年10月


子嚢菌門(Phylum Ascomycota)

大半のカビや酵母、一部のキノコ(トリュフなど)などの仲間です。減数分裂で生成した胞子を子嚢という名の袋の中に作るのが特徴です。

菌界の約70%を占める大きなグループです。3亜門を含みます。姉妹群は恐らく担子菌門(Basidiomycota)です。

地衣類という菌類と藻類の共生体における菌類の大半はこのグループに所属します。3亜門間の関係は恐らく以下の通り。

タフリナ菌亜門(Subphylum Taphrinomycotina)

分裂酵母(シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、タフリナなどの植物寄生菌、ヒトに肺炎を引き起こすニューモシスティス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)などの仲間です。

5綱から成ります。単系統である可能性が高く、子嚢菌門の基底に位置すると推測されています。形態は多様であり、共通する性質は少ないです。

サッカロミセス亜門(Subphylum Saccharomycotina)
= サッカロミセス綱(Class Saccharomycetes)

出芽酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、イースト菌とも)、カンジダなどの仲間です。

1綱1目のみから成ります。他の2亜門に比べるとグループとしては小さめですが、パンや酒を作るのに欠かせない出芽酵母や、カンジダ症の原因となるカンジダなどが含まれ、重要性は高いです。

チャワンタケ亜門(Subphylum Pezizomycotina)

ペジザ亜門とも。アオカビ、コウジカビ、アカパンカビ、アミガサタケ、トリュフ、チャワンタケなどの仲間です。

11綱と所属綱不明のいくつかの目から成ります。他の2亜門に比べるとかなり規模が大きいです。

ユーロチウム菌綱(Class Eurotiomycetes)

アオカビ、コウジカビ、白癬菌などの仲間です。3亜綱7目から成ります。

アオカビ(ペニシリウム属(Genus Penicillium))は青色を帯びたカビで、抗生物質ペニシリンを生産したり、カマンベールチーズなど高級チーズの製造に使われたりします。

コウジカビ(アスペルギルス属(Genus Aspergillus))は(こうじ)を作るカビで、日本酒、味噌、醤油などを製造するのに使われます。

特にニホンコウジカビ(アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae))は日本食作りには欠かせず、日本醸造学会から国菌に認定されています。

病原性のあるものとしては、一部のコウジカビがアスペルギルス症を引き起こすことが知られています。また、水虫を引き起こす白癬菌は有名です。

チャシブゴケ菌綱(Class Lecanoromycetes)

ウメノキゴケ、サルオガセ、モジゴケなどの仲間です。3亜綱10目から成ります。

地衣類の大半はこのグループに所属します。外見がコケに似ているため「~ゴケ」と名のつく種が多いです。

チャワンタケ綱(Class Pezizomycetes)

アミガサタケ、トリュフ、チャワンタケなどの仲間です。チャワンタケ目1目のみから成ります。

チャワンタケ亜門の名の由来になっているチャワンタケを含みます。アミガサタケやトリュフは食用として利用されています。

フンタマカビ綱(Class Sordariomycetes)

アカパンカビ、麦角菌、冬虫夏草などの仲間です。分類体系によって異なりますが、当サイトでは3亜綱18目を認める大きめのグループです。

アカパンカビは赤色を帯びたカビで、その名の通りパンによく生えます。モデル生物として研究されています。

麦角菌はイネ科植物、特にライムギやオオムギ、コムギなど麦類に感染する菌で、麦角アルカロイドという毒を作り出すため麦角中毒を引き起こし、特に西洋で恐れられています(なおイネには感染しないため、日本では麦角中毒は少ないです)。

冬虫夏草は昆虫に寄生する菌で、冬に菌が昆虫の体内で生長し、夏に昆虫から生えてくるためこの名があります。チベットや中国で漢方薬や中華料理として利用されています。


解説文更新:2019年09月29日

参考




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