オクロ植物門(不等毛植物門)(Ochrophyta)

目レベルの分類(Orders)


Phylum
亜門
Subphylum
下門
Infraphylum
上綱
Superclass

Class
亜綱
Subclass

Order
オクロ植物門
(不等毛植物門)
Ochrophyta
(Heterokontophyta)






































オクロ植物門
(不等毛植物門)
Ochrophyta
(Heterokontophyta)






































オクロ植物門
(不等毛植物門)
Ochrophyta
(Heterokontophyta)






































オクロ植物門
(不等毛植物門)
Ochrophyta
(Heterokontophyta)






































オクロ植物門
(不等毛植物門)
Ochrophyta
(Heterokontophyta)
カキスタ亜門
Khakista







































カキスタ亜門
Khakista

ボリド藻綱
Bolidophyceae
ボリドモナス目
Bolidomonadales
パルマ目
Parmales
珪藻上綱
Diatomea(Diatomeae)







































珪藻上綱
Diatomea(Diatomeae)
コアミケイソウ綱
Coscinodiscophyceae
コアミケイソウ亜綱
Coscinodiscophycidae
コアミケイソウ目
Coscinodiscales
クモノスケイソウ目
Arachnoidiscales
オオコアミケイソウ目
Ethmodiscales
ニセヒトツメケイソウ目
Stictocyclales
ハスノミケイソウ目
Stictodiscales
キクノハナケイソウ目
Chrysanthemodiscales
ウスガサネケイソウ目
Orthoseirales
ハクアノトッキケイソウ亜綱
Archaegladiopsophycidae
ハクアノトッキケイソウ目
Archaegladiopsidales
Gladiales目
Gladiales
クシダンゴケイソウ目
Stephanopyxales
イガクリケイソウ亜綱
Corethrophycidae
イガクリケイソウ目
Corethrales
タルケイソウ亜綱
Melosirophycidae
タルケイソウ目
Melosirales
タルモドキケイソウ亜綱
Paraliophycidae
タルモドキケイソウ目
Paraliales
ツツガタケイソウ亜綱
Rhizosoleniophycidae
ツツガタケイソウ目
Rhizosoleniales
ホソミドロケイソウ目
Leptocylindales
所属不明
incertae sedis
スジタルケイソウ目
Aulacoseirales
ミカドケイソウ目
Triceratiales
チュウカンケイソウ綱
Mediophyceae
イトマキケイソウ亜綱
Biddulphiophycidae
イトマキケイソウ目
Biddulphiales
アミカケケイソウ目
Toxariales
デカハリケイソウ目
Ardissoneales
ツノケイソウ亜綱
Chaetocerotophycidae
ツノケイソウ目
Chaetocerotales
ミズマクラケイソウ目
Anaulales
シマヒモケイソウ目
Hemiaulales
オビダマシケイソウ亜綱
Cymatosirophycidae
オビダマシケイソウ目
Cymatosirales
ニセコアミケイソウ亜綱
Thalassiosirophycidae
ニセコアミケイソウ目
Thalassiosirales
サンカクチョウチンケイソウ目
Lithodesmiales
クサリケイソウ綱
Bacillariophyceae
クサリケイソウ亜綱
Bacillariophycidae
クサリケイソウ目
Bacillariales
クチビルケイソウ目
Cymbellales
ニセチクビレツケイソウ目
Dictyoneidales
タテゴトモヨウケイソウ目
Lyrellales
チクビレツケイソウ目
Mastogloiales
フナガタケイソウ目
Naviculales
クシガタケイソウ目
Rhopalodiales
コバンケイソウ目
Surirellales
ハンカケケイソウ目
Thalassiophysales
イチモンジケイソウ亜綱
Eunotiophycidae
イチモンジケイソウ目
Eunotiales
オビケイソウ亜綱
Fragilariophycidae
オビケイソウ目
Fragilariales
シンツキケイソウ目
Cyclophorales
オウギケイソウ目
Licmophorales
ハジメノミゾモドキケイソウ目
Protoraphidiales
ドウナガケイソウ目
Rhabdonematales
ヌサガタケイソウ目
Tabellariales
ウミノイトケイソウ目
Thalassionematales
オオヘラケイソウ目
Climacospheniales
ウルネイド亜綱
Urneidophycidae
オカメケイソウ目
Rhaphoneidales
ハラスジケイソウ目
Striatellales
所属不明
incertae sedis
ツメケイソウ目
Achnanthales
クンショウケイソウ目
Asterolampales
フェイスタ亜門
Phaeista







































フェイスタ亜門
Phaeista
ハイポギリスタ下門
Hypogyrista
ペラゴ藻綱
Pelagophyceae
ペラゴモナス目
Pelagomonadales
サルシノクリシス目
Sarcinochrysidales
ディクティオカ(シリカヒゲムシ)藻綱
Dictyochophyceae
ペディネラ目
Pedinellales
リゾクロムリナ目
Rhizochromulinales
ディクティオカ(シリカヒゲムシ)目
Dictyochales
フロレンシエラ目
Florenciellales
クリシスタ下門
Chrysista







































クリシスタ下門
Chrysista
ユースティグミスタ上綱
Eustigmista
真正眼点藻綱
Eustigmatophyceae
ユースティグマトス目
Eustigmatales
ピングイオ藻綱
Pinguiophyceae
ピングイオクリシス目
Pinguiochrysidales
ファゴクリシア上綱
Phagochrysia
ピコファグス綱
Picophagea
ピコファグス目
Picophagales
シンクロマ藻綱
Synchromophyceae
シンクロマ目
Synchromales
クラミドミクサ目
Chlamydomyxales
黄金色藻綱
Chrysophyceae
クロムリナ目
Chromulinales
パラフィソモナス目
Paraphysomonadales
オクロモナス目
Ochromonadales
ヒッバーディア目
Hibberdiales
シヌラ目
Synurales
クリソスファエラ目
Chrysosphaerales
ミズオ目
Hydrurales
マリスタ上綱
Marista

































マリスタ上綱
Marista
ラフィド藻綱
Raphidophyceae
ラフィドモナス目(シャットネラ目)
Raphidomonadales(Chattonellales)
クリソメラ藻綱
Chrysomerophyceae
クリソメラ目
Chrysomeridales
黄緑藻綱
Xanthophyceae
クロロアメーバ目
Chloramoebales
リゾクロリス目
Rhizochloridales
ヘテログロエア目
Heterogloeales
ミスココックス目
Mischococcales
トリボネマ目
Tribonematales
ボトリディウム目
Botrydiales
ヴォウケリア(フシナシミドロ)目
Vaucheriales
プレウロクロリデラ目
Pleurochloridellales
フェオタムニオン藻綱
Phaeothamniophyceae
フェオタムニオン目
Phaeothamniales
シゾクラディア藻綱
Schizocladiophyceae
シゾクラディア目
Schizocladiales
アウレアレナ藻綱
Aurearenophyceae
アウレアレナ目
Aurearenales
褐藻綱
Phaeophyceae
ディスコスポランギウム亜綱
Discosporangiophycidae
ディスコスポランギウム目
Discosporangiales
イシゲ亜綱
Ishigeophycidae
イシゲ目
Ishigeales
アミジグサ亜綱
Dictypophycidae
アミジグサ目
Dictyotales
クロガシラ目
Sphacelariales
ウスバオオギ目
Syringodermatales
オンスロウィア目
Onslowiales
ヒバマタ亜綱
Fucophycidae
ウルシグサ目
Desmarestiales
ケヤリモ目
Sporochnales
シトタムヌス目
Scytothamnales
イソガワラ目
Ralfsiales
コンブ目
Laminariales
アスコセイラ目
Ascoseirales
シオミドロ目
Ectocarpales
ティロプテリス目
Tilopteridales
ヒバマタ目
Fucales
ネモデルマ目
Nemodermatales


分類表更新:2017年11月(2019年11月改訂)


オクロ植物門(Phylum Ochrophyta)

不等毛植物門(Heterokontophyta)とも。色が黄色(褐色)であることから黄色植物、黄藻植物とも呼ばれます。珪藻、褐藻(コンブなど)などの仲間です。

光合成を行い、光合成色素として、クロロフィルaとクロロフィルcを持っています。紅色植物を二次共生させた二次光合成生物(二次植物)です。

「~植物」と呼ぶことが多いですが、植物界(= アーケプラスチダ)ではなく、ストラメノパイル上門の仲間です。姉妹群ははっきりしていませんが、偽菌門もしくは偽菌門内のどれかの生物の可能性が高いです。

内部分類ですが、カキスタ(Khakista)とフェイスタ(Phaeista)に分ける説と、ダイアトミスタ(Diatomista)とクリシスタ(Chrysista)に分ける説の2通りがあり、どちらが正しいかまだはっきりしていません。当サイトではカキスタとフェイスタに分ける説を採用しています。

(なお、当サイトでは英語版・スペイン語版Wikipedia情報を参考に下門・上綱階級を記載していますが、他の分類と分類階級の関係を崩さないように当てはめたものであり、正式に発表されたものではありません。)

  • カキスタ亜門(Subphylum Khakista)
  • フェイスタ亜門(Subphylum Phaeista)
    • ハイポギリスタ下門(Infraphylum Hypogyrista)
    • クリシスタ下門(Infraphylum Chrysista)
      • ユースティグミスタ上綱(Superclass Eustigmista)
      • (Unnamed)
        • ファゴクリシア上綱(Superclass Phagochrysia)
        • マリスタ上綱(Superclass Marista)
  • ダイアトミスタ亜門(Subphylum Diatomista)
    • カキスタ下門(Infraphylum Khakista)
    • ハイポギリスタ下門(Infraphylum Hypogyrista)
  • クリシスタ亜門(Subphylum Chrysista)
    • ユースティグミスタ上綱(Superclass Eustigmista)
    • (Unnamed)
      • ファゴクリシア上綱(Superclass Phagochrysia)
      • マリスタ上綱(Superclass Marista)

カキスタ亜門(Subphylum Khakista)

珪藻、ボリド藻の仲間です。

所属する綱数は分類体系によって異なりますが、2綱(ボリド藻綱、珪藻綱)または4綱(ボリド藻綱、珪藻類(コアミケイソウ綱、チュウカンケイソウ綱、クサリケイソウ綱))とする方法が知られています。

当サイトの分類表では4綱としています。

珪藻類(Diatomeae)
= 珪藻上綱(Superclass Diatomea)

珪藻の仲間です。単細胞または群体性で、細胞が珪酸質の殻に覆われているのが特徴です。姉妹群は同じカキスタ亜門のボリド藻綱です。

植物プランクトンとして非常にありふれており、現在地球上で最も繁栄している生物群のうちの一つです。被殻の形状は多様性に富み、美しいものが多いことから顕微鏡観察の対象としてよく選ばれます。

珪酸質の殻は死後も残りやすく、微化石として大量に出土します。珪藻の化石を多量に含む堆積物は珪藻土と呼ばれます。

分類階級は門または綱を当てることが多いです。門を当てる場合は珪藻植物門(Phylum Bacillariophyta)、綱を当てる場合は珪藻綱(Class Bacillariophyceae)と呼びます。

但しオクロ植物門 - カキスタ亜門の下位分類となるため、門を当てる場合は分類階級の関係が崩れてしまいます。綱を当てる場合は分類階級の関係は崩れませんが、下位分類(コアミケイソウ類、チュウカンケイソウ類、クサリケイソウ類)を亜綱階級にする必要があります。

なお分類階級に関係なく珪藻類を指す学名として、Diatomea(またはDiatomeae)があります。当サイトでは他の分類と分類階級の関係を崩さないよう珪藻類に上綱の階級を当て、下位分類(コアミケイソウ類、チュウカンケイソウ類、クサリケイソウ類)に綱の階級を当てています。

形から中心類と羽状類(クサリケイソウ綱)の2つに大別されますが、中心類は側系統群であり、コアミケイソウ綱とチュウカンケイソウ綱に分割されます。

フェイスタ亜門(Subphylum Phaeista)

褐藻、黄金色藻、黄緑藻、ラフィド藻、ディクティオカ藻などの仲間です。当サイトでは暫定的に2下門14綱に分けています。

オクロ植物門の項でも記述していますが、当グループが単系統群であるかどうかはまだはっきりしていません([ダイアトミスタ - クリシスタ説]が正しい場合は、単系統群ではないことになります)。単系統群である場合、姉妹群はカキスタ亜門です。

ハイポギリスタ下門(Infraphylum Hypogyrista)

ペラゴ藻綱、ディクティオカ(シリカヒゲムシ)藻綱の2綱から成ります。

ディクティオカ(シリカヒゲムシ)藻綱(Class Dictyochophyceae)

単細胞で珪酸質の内骨格を持つグループです。生きているときは黄褐色を呈しますが、死ぬと骨格だけが残るため、化石として残りやすいと言えます。

なお太陽鞭毛虫のキリオフリスもこのグループに所属するとされます。

クリシスタ下門(Infraphylum Chrysista)

褐藻、黄金色藻、黄緑藻、ラフィド藻、真正眼点藻などの仲間です。当サイトでは暫定的に3上綱12綱に分けています。

黄金色藻綱(Class Chrysophyceae)

色素体の構成により、黄色(黄金色)を呈することから「黄金色」藻と呼ばれます。ヒカリモ、シヌラなどを含みます。

人間にとって役に立つことは少ないですが、ヒカリモという藻類は黄金色に輝いて見え、千葉県富津市竹岡のそれは国の天然記念物に指定されているほどです。

ラフィド藻綱(Class Raphidophyceae)

淡水産のものは緑色、海水産のものは褐色を呈する単細胞の藻類です。葉緑体を多数持っていることが特徴です。赤潮の原因になることでも知られています。

なお当サイトの分類表では採用していませんが、無殻太陽虫(タイヨウチュウの仲間)はオパリナではなくラフィド藻に近縁であるとする学説もあります。

黄緑藻綱(Class Xanthophyceae)

色素体の構成により、緑色に近い黄色を呈することから「黄緑」藻と呼ばれます。フシナシミドロ、クビレミドロなどを含みます。

比較的褐藻綱に近い仲間です(褐藻綱と同じマリスタ上綱に所属している)。

褐藻綱(Class Phaeophyceae)

コンブ、ワカメ、ヒジキ、ホンダワラ、モズクなど褐藻の仲間です。色素体の構成により、褐色をしているのが特徴です。

全ての種が多細胞であり、オオウキモ(ジャイアントケルプ)など大型の種も存在します。

食用となる種が多く、知名度の高いグループです。当サイトでは4亜綱16目に分類しています。

ディスコスポランギウム亜綱(Subclass Discosporangiophycidae)

タマクシゲ亜綱とも。ディスコスポランギウム目(タマクシゲ目)1目のみから成ります。

4亜綱の中では一番早く分岐したとされます。

イシゲ亜綱(Subclass Ishigeophycidae)

イシゲの仲間です。イシゲ目1目のみから成ります。

漢字で書くと「石毛」です。学名の「Ishige~」は日本語由来です。

アミジグサ亜綱(Subclass Dictypophycidae)

アミジグサ、ウミウチワ、ヤハズグサ、シマオウギ、クロガシラなどの仲間です。4目から成ります。

4亜綱の中では2番目に大きなグループです。姉妹群は恐らくヒバマタ亜綱です。

ヒバマタ亜綱(Subclass Fucophycidae)

コンブ、ワカメ、ヒジキ、ホンダワラ、モズク、オオウキモ(ジャイアントケルプ)、シオミドロ、ヒバマタなどの仲間です。10前後の目から成ります(当サイトでは10目を認めています)。

姉妹群は恐らくアミジグサ亜綱です。4亜綱の中で最大の規模を誇ります。知名度の高い褐藻はほとんどがこのグループに所属します。


解説文更新:2019年11月01日

参考




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