扁形動物門(Platyhelminthes)

目レベルの分類(Orders)


Phylum
亜門
Subphylum

Class
亜綱
Subclass
下綱
Infraclass
小綱[1]/区[2]
Parvclass[1]
/Cohort[2]
亜区
Subcohort

Order
扁形動物門
Platyhelminthes







































扁形動物門
Platyhelminthes
小鎖状亜門
Catenulidea
小鎖状綱
Catenulida
小鎖状目
Catenulida
有棒状体亜門
(真正扁形動物亜門)
Rhabditophora
(Euplatyhelminthes)







































有棒状体亜門
(真正扁形動物亜門)
Rhabditophora
(Euplatyhelminthes)
多食綱
Macrostomorpha
多食目
Macrostomatida
単咽頭目
Haplopharyngida
多岐腸綱(ヒラムシ綱)
Polycladidea
多岐腸目(ヒラムシ目)
Polycladida
卵黄皮目
Lecithoepitheliata
原順列目
Proseriata
新卵綱
Neoophora







































新卵綱
Neoophora
真卵黄亜綱
Eulecithophora
棒腸下綱
Rhabdocoela
棒腸目
Rhabdocoela
アディアファニダ下綱
Adiaphanida
原卵黄目
Prolecithophora
三岐腸目(ウズムシ目)
Tricladida
フェカムピア目
Fecampiida
新皮亜綱
Neodermata






































新皮亜綱
Neodermata
単生下綱
Monogenea
単後吸盤小綱
(ポリオンコイネア小綱)
Monopisthocotylea
(Polyonchoinea)
ダクチロギルス目
Dactylogyridea
ギロダクチルス目
Gyrodactylidea
ラガロコチル目
Lagarocotylidea
モンチャドスキエラ目
Montchadskyellidea
カプサラ目
Capsalidea
モノコチル目
Monocotylidea
多後吸盤小綱
(ヘテロンコイネア小綱)
Polyopisthocotylea
(Heteronchoinea)
ポリストマ目
Polystomatidea
マゾクラエス目
Mazocraeidea
ディクリボトリウム目
Diclybothriidea
キメリコラ目
Chimaericolidea
吸虫下綱
Trematoda
盾吸虫小綱
Aspidobothrea
タテキュウチュウ目
Aspidocotylea(Aspidobothriiformes)
スチココチルス目
Stichocotylida
二生小綱
Digenea
ヘロニムス目
Heronimiformes
パラアンフィストマム目
Paramphistomiformes
棘口吸虫目
Echinostomida(Echinostomatiformes)
ハプロポルス目
Haploporiformes
トランスヴェルソトレマ目
Transversotrematiformes
ヘミウリス目
Hemiuriformes
有壁吸虫目(ジュウケツキュウチュウ目)
Strigeidida(Strigeiformes)
後睾吸虫目
Opisthorchiida(Opisthorchiformes)
レポクレアディウム目
Lepocreadiiformes
斜睾吸虫目
Plagiorchiida(Plagiorchiformes)
条虫下綱
Cestoda
褶吸盤区
Gyrocotylidea
褶吸盤目
Gyrocotylidea
条虫区
Cestoidea
両網亜区
Amphilinidea
両網目
Amphillinidea
真正条虫亜区
Eucestoda
果頭目
Caryophyllidea
箆頭目
Spathebothriidea
ハプロボツリウム目
Haplobothriidea
裂頭条虫目
Diphyllobothriidea
ボツリオセファルス目
Bothriocephalidea
錐吻目
Trypanorhyncha
盤頭目
Lecanicephalidea
無門目
Aporidea
四葉目
Tetraphyllidea
リネボツリウム目
Rhinebothriidea
二葉目
Diphyllidea
菱頭目
Litobothridea
日本条虫目
Nippotaeniidea
変頭目
Proteocephalidea
円葉目
Cyclophyllidea


分類表更新:2017年11月(2019年12月改訂)


  1. ^ 単生下綱(Monogenea)、吸虫下綱(Trematoda)
  2. ^ 条虫下綱(Cestoda)


扁形動物門(Phylum Platyhelminthes)

プラナリア、ヒラムシ、コウガイビル、サナダムシ、エキノコックスなどの仲間です。その名の通り平たい形をしています。

自由生活型の種もいますが、寄生生活を行う種が多いです。姉妹群は恐らく腹毛動物門です。

腹毛動物門とともに吸啜動物(Rouphozoa)を構成すると考えられています。また、顎口動物門、微顎動物門、輪形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

伝統的には以下の4綱に分ける分類が行われてきました。

しかし近年の分子系統解析に伴い、渦虫綱は側系統群であることが分かってきたため、現在では以下のように分ける分類が提唱されています[Ruggiero et al. (2015)]。

伝統的な分類と同様、4綱に分けられていますが、その内容は異なります。渦虫綱以外の3綱(単生綱、吸虫綱、条虫綱)は解体されていませんが、分類階級が綱から下綱に変更されています。

小鎖状亜門(Subphylum Catenulidea)
= 小鎖状綱(Class Catenulida)

クサリヒメウズムシ、イトヒメウズムシの仲間です。小鎖状目1目のみから成ります。

伝統的な分類では渦虫綱に所属します。自由生活型の生物で、大半の種は淡水に生息します。

扁形動物門の中で、いち早く分岐したと言われています。そのため、その他の仲間とは別の亜門として分類されています。

有棒状体亜門(Subphylum Rhabditophora)

真正扁形動物亜門(Subphylum Euplatyhelminthes)とも。多食綱、多岐腸綱(ヒラムシ綱)、新卵綱の3綱から成ります。

小鎖状目以外の全ての扁形動物が所属します。

多食綱(Class Macrostomorpha)

多食目、単咽頭目の2目から成る自由生活型の生物です。伝統的な分類では渦虫綱に所属します。

有棒状体亜門の中では最初に分岐したと推測されています。

多岐腸綱(ヒラムシ綱)(Class Polycladidea)

ヒラムシの仲間です。3目から成ります。自由生活型の生物です(一部寄生生物も存在します)。

伝統的な分類では渦虫綱に所属します。大半の種は海水に生息します。

新卵綱(Class Neoophora)

真卵黄亜綱、新皮亜綱の2亜綱から成ります。伝統的な分類の渦虫綱の一部と単生綱、吸虫綱、条虫綱から構成されています。

プラナリアの仲間(真卵黄亜綱)とサナダムシ、吸虫などの仲間(新皮亜綱)が近縁である仮説に基づいて設けられたクレードです。

真卵黄亜綱(Subclass Eulecithophora)

棒腸目、プラナリア、コウガイビルなどの仲間です。2下綱4目から成る自由生活型の生物です。伝統的な分類では渦虫綱に所属します。

特にプラナリアは再生力が強いことでよく知られています。コウガイビルは名前にヒルとありますが、環形動物門に所属するヒルとは異なる生物です。

新皮亜綱(Subclass Neodermata)

サナダムシ、エキノコックス、吸虫(ジストマ)などの仲間です。全ての種が寄生生物です。

単生下綱、吸虫下綱、条虫下綱の3下綱から成ります。伝統的な分類の単生綱、吸虫綱、条虫綱から構成されています。

単生下綱(Infraclass Monogenea)

Monogenoideaとも。伝統的な分類では単生綱(Class Monogenea)です。魚介類に感染する寄生虫です。

養殖の妨げになるため問題視されています。フタゴムシは繁殖相手との出会いがロマンチック?なことで知られています。

吸虫下綱(Infraclass Trematoda)

伝統的な分類では吸虫綱(Class Trematoda)です。吸虫(ジストマ)とも呼ばれる寄生虫です。

日本住血吸虫、横川吸虫、肝吸虫(肝臓ジストマ)、肺吸虫(肺ジストマ)などが知られています。

ロイコクロリディウムはカタツムリに寄生してわざとイモムシの様な目立つ姿に擬態することで、鳥(終宿主)に食べられやすくする生態が有名です。

条虫下綱(Infraclass Cestoda)

Cestoideaとも。伝統的な分類では条虫綱(Class Cestoda)です。サナダムシ、条虫と呼ばれる寄生虫です。

サナダムシの仲間には有鉤条虫、無鉤条虫、広節裂頭条虫などが存在します。

エキノコックスはキタキツネなどに感染していますが、人に感染すると重篤な症状を引き起こすことが知られています。


解説文更新:2019年12月22日

参考




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