冠輪動物上門(Lophotrochozoa)

目レベルの分類(扁形動物門、環形動物門、軟体動物門以外)(Orders)

上門
Superphylum

Phylum
亜門
Subphylum

Class
亜綱
Subclass
上目
Superorder

Order
冠輪動物上門
Lophotrochozoa





































冠輪動物上門
Lophotrochozoa





































冠輪動物上門
Lophotrochozoa
菱形動物門
Rhombozoa
菱形綱
Rhombozoa
二胚虫目
Dicyemida
異胚虫目
Heterocyemida
直泳動物門
Orthonecta
直泳綱
Orthonectea
直泳目
Orthonectida
有輪動物門
Cycliophora
真有輪綱
Eucycliophora
シンビオン目
Symbiida
顎口動物門
Gnathostomulida
顎口動物綱
Gnathostomulida
糸精子目
Filospermoidea
嚢腔目
Bursovaginoidea
微顎動物門
Micrognathozoa
微顎綱
Micrognathozoa
リムノグナシア目
Limnognathida
輪形動物門
Rotifera
単生殖巣綱
Monogononta
偽輪毛器上目
Pseudotrocha
ワムシ目
Ploima
葉状輪毛器上目
Gnesiotrocha
マルサヤワムシ目
Flosculariaceae
ハナビワムシ目
Collothecaceae
ヒルガタワムシ綱
Bdelloidea
ヒルガタワムシ目
Bdelloida
ウミヒルガタワムシ綱
Seisonidea
ウミヒルガタワムシ目
Seisonida
鉤頭虫綱
Acanthocephala
ポリアカントセファラ亜綱
Polyacanthocephala
ポリアカントリンクス目
Polyacanthorhynchida
原鉤頭虫亜綱
Archiacanthocephala
アポロリンクス目
Apororhynchida
ギガントリンクス目
Gigantorhynchida
サジョウコウトウチュウ目
Moniliformida
ダイコウトウチュウ目
Oligacanthorhynchida
古鉤頭虫亜綱
Palaeacanthocephala
コウトウチュウ目
Echinorhynchida
ポリモルフス目
Polymorphida
ヘテラモルフィダ目
Heteramorphida
始鉤頭虫亜綱
Eoacanthocephala
クアドリギルス目
Gyracanthocephala
シンコウトウチュウ目
Neoechinorhynchida
腹毛動物門
Gastrotricha
腹毛動物綱
Gastrotricha
帯虫目
Macrodasyida
毛遊目(イタチムシ目)
Chaetonotida
扁形動物門
Platyhelminthes
小鎖状亜門
Catenulida
小鎖状綱
Catenulida
小鎖状目
Catenulida
有棒状体亜門
Rhabditophora
内肛動物門
Entoprocta
内肛綱
Entoprocta
単体目
Solitaria
群体目
Coloniales
外肛動物門
Ectoprocta
掩喉綱
Phylactolaemata
掩喉目(プルマテラ目)(ハネコケムシ目)
Plumatellida
狭喉綱
Stenolaemata
円口目
Cyclostomata
裸喉綱
Gymnolaemata
櫛口目
Ctenostomata
唇口目
Cheilostomata
腕足動物門
Brachiopoda
舌殻亜門
Linguliformea
頭殻綱
Craniata
頭殻目(イカリチョウチン目)
Craniida
箒虫綱
Phoronata
ホウキムシ目
Phoronida
舌殻綱
Lingulata
舌殻目(シャミセンガイ目)
Lingulida
嘴殻亜門
Rhynchonelliformea
嘴殻綱
Rhynchonellata
嘴殻目(クチバシチョウチン目)
Rhynchonellida
穿殻目(ホウズキガイ目)
Terebratulida
テキデラ目
Thecideida
紐形動物門
Nemertea
アリンコシーラ綱
Arhynchocoela
アリンコネメルテス目
Arhynchonemertea
古紐虫綱
Palaeonemertea
古紐虫目
Palaeonemertea
担帽綱
Pilidiophora
異紐虫目
Heteronemertea
針紐虫綱
Hoplonemertea
単針亜綱
Monostilifera
クラテネメルテア目
Cratenemertea
真単針目
Eumonostilifera
多針亜綱
Polystilifera
遊泳目
Pelagica
爬行目
Reptantia
環形動物門
Annelida
有帯(クリテラータ)亜門
Clitellata
ユムシ動物亜門
Echiura
ユムシ綱
Echiura
有鬚動物亜門
Pogonophora
星口動物亜門
Sipuncula
所属不明(多毛類)
incertae sedis(Polychaeta)
軟体動物門
Mollusca
有棘類
Aculifera
溝腹綱
Solenogastres
尾腔綱
Caudofoveata
ケハダウミヒモ目
Chaetodermomorpha
多板綱
Polyplacophora
新ヒザラガイ目
Neoloricata
貝殻亜門
Conchifera


分類表更新:2017年11月(2019年12月改訂)


冠輪動物上門(Superphylum Lophotrochozoa)

螺旋卵割動物上門(Superphylum Spiralia)とも。脱皮動物上門とともに前口動物下界を二分するグループです。最近の分子系統解析の結果、設定されています。

姉妹群は脱皮動物上門(Ecdysozoa)の可能性が高いです(但し所属上門不明の毛顎動物門(Chaetognatha)の位置付け次第では変わる可能性があります)。

当サイトでは14門を認めています(学説によって前後します)。ミミズやゴカイで有名な環形動物門やイカやタコ、貝類で有名な軟体動物門を含みます。

以下は内部分類における一説です。

菱形動物門(Phylum Rhombozoa)

二胚動物門(Phylum Dicyemida)とも。ニハイチュウ(二胚虫)の仲間です。他の動物に寄生する寄生虫で、大きさは数mm程度です。

多細胞生物としては細胞数が少ない(数十程度)のが特徴で、中生動物(Mesozoa)とも呼ばれます。

直泳動物門(Phylum Orthonecta)

チョクエイチュウ(直泳虫)の仲間です。1mmに満たない寄生虫で、真っ直ぐ泳ぐ(こともある)ことから直泳動物と呼ばれています。

菱形動物門同様、細胞数が少ないことから中生動物に含められますが、中生動物は単系統群ではない(つまり菱形動物門とは互いに独立したグループ)と考えられています。

有輪動物門(Phylum Cycliophora)

シンビオンの仲間です。エビに片利共生しており、大きさは数百μm程度です。他の動物門と系統が離れていることから独立した門が与えられています。

顎口動物門(Phylum Gnathostomulida)

顎口動物の仲間です。大きさは1mm前後で、砂の中に住む隙間性生物です。

微顎動物門、輪形動物門とともに担顎動物(Gnathifera)を構成すると考えられています。また、腹毛動物門、扁形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

微顎動物門(Phylum Micrognathozoa)

リムノグナシア(Limnognathia maerski)ただ一種のみから成ります(単型)。自由生活型の微生物で、大きさは0.1mm程度です。

顎口動物門、輪形動物門とともに担顎動物(Gnathifera)を構成すると考えられています。また、腹毛動物門、扁形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

輪形動物門(Phylum Rotifera)

ワムシ、コウトウチュウの仲間です。多くの種は自由生活型の微生物ですが、一部(特に鉤頭虫綱)は寄生性です。

顎口動物門、微顎動物門とともに担顎動物(Gnathifera)を構成すると考えられています。また、腹毛動物門、扁形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

コウトウチュウ(鉤頭虫綱)の仲間は独立した門である鉤頭動物門(Phylum Acanthocephala)とする場合もあります。しかしその場合、残る輪形動物門の仲間が側系統群になる可能性があり、コウトウチュウの仲間も輪形動物門に含める説が提案されています。

腹毛動物門(Phylum Gastrotricha)

イタチムシ、オビムシの仲間です。自由生活型の微生物で、大きさは数十μmから数百μm程度と小さく、後生動物(Metazoa)では最小クラスです。

扁形動物門とともに吸啜動物(Rouphozoa)を構成すると考えられています。また、顎口動物門、微顎動物門、輪形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

扁形動物門(Phylum Platyhelminthes)

プラナリア、ヒラムシ、コウガイビル、サナダムシ、エキノコックスなどの仲間です。その名の通り平たい形をしています。

自由生活型の種もいますが、寄生生活を行う種が多いです。姉妹群は恐らく腹毛動物門です。

腹毛動物門とともに吸啜動物(Rouphozoa)を構成すると考えられています。また、顎口動物門、微顎動物門、輪形動物門とも近縁で、扁平動物(Platyzoa)を構成する説があります。

内肛動物門(Phylum Entoprocta)

スズコケムシの仲間です。肛門が触手冠の内側に存在することから内肛動物と呼ばれます。別名、曲形動物(Kamptozoa)とも呼ばれます。

外肛動物門、担輪動物(環形動物門、軟体動物門など)とともに狭義の冠輪動物(Lophotrochozoa sensu stricto)を構成すると考えられています。

外肛動物門(Phylum Ectoprocta)

苔虫動物門(Phylum Bryozoa)とも。コケムシの仲間です。肛門が触手冠の外側に存在することから外肛動物と呼ばれます。

内肛動物門、担輪動物(環形動物門、軟体動物門など)とともに狭義の冠輪動物(Lophotrochozoa sensu stricto)を構成すると考えられています。

腕足動物門(Phylum Brachiopoda)

シャミセンガイ、チョウチンガイ、ホウキムシなどの仲間です。一見すると貝類のようですが、軟体動物門とは別の系統です。

紐形動物門、環形動物門、軟体動物門とともに担輪動物(Trochozoa)を構成すると考えられています。

ホウキムシ(箒虫綱)の仲間は独立した門である箒虫動物門(Phylum Phoronida)とする場合もあります。

ホウキムシの仲間がその他の腕足動物と近縁であることは確かなようですが、両者が姉妹群なのか、ホウキムシの仲間が腕足動物の系統内部に入り込んでいるのかどうかは不明瞭です(ホウキムシを含めた腕足動物のことをBrachiozoaとも呼びます)。

紐形動物門(Phylum Nemertea)

ヒモムシの仲間です。大半の種は海に生息する自由生活型の生物で、紐のような見た目の蠕虫です。

腕足動物門、環形動物門、軟体動物門とともに担輪動物(Trochozoa)を構成すると考えられています。

環形動物門(Phylum Annelida)

ミミズ、ゴカイ、ヒルなどの仲間です。典型的な蠕虫状の動物です。

腕足動物門、紐形動物門、軟体動物門とともに担輪動物(Trochozoa)を構成すると考えられています。

最近の系統解析によると、ユムシ、ハオリムシ、ホシムシの仲間も環形動物の仲間であることが分かってきています。

2019年現在、系統関係の整理中であり、将来的には分類が大幅に書き換わる可能性が高いです(特に多毛類)。

軟体動物門(Phylum Mollusca)

イカ、タコ、貝類(アサリ、シジミ、サザエ、ハマグリなど)、カタツムリ、ナメクジ、ウミウシなどの仲間です。

その名の通り骨格を持たず体が軟らかいのが特徴です。貝殻を持つ種が多いですが、貝殻を持たない種も存在します。

腕足動物門、紐形動物門、環形動物門とともに担輪動物(Trochozoa)を構成すると考えられています。

大半の種が貝殻亜門(Conchifera)に所属します。原始的な特徴を持つ溝腹綱、尾腔綱、多板綱の3綱については、側系統群である説と、単系統群(有棘類(Aculifera))である説の両方が存在します。


解説文更新:2019年12月14日

参考




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