綱 Class |
亜綱 Sub |
下綱 Infra |
区 Cohort |
上目 Super |
系 Series |
亜系 Sub |
目 Order |
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条鰭綱 Actino 条鰭綱 Actino 条鰭綱 Actino |
分岐鰭亜綱 Cladistia |
ポリプテルス目 Polypteri |
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軟質亜綱 Chondrostei |
チョウザメ目 Acipenseri |
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新鰭亜綱 Neop 新鰭亜綱 Neop 新鰭亜綱 Neop |
全骨下綱 Holostei |
ガー目 Lepisostei |
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アミア目 Amiiformes |
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真骨下綱 Tele 真骨下綱 Tele 真骨下綱 Tele |
カライワシ区 Elopomorpha |
カライワシ目 Elopiformes |
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ソトイワシ目 Albuliformes |
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ウナギ目 Anguilli |
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ソコギス目 Notacanthi |
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アロワナ区 Osteoglossomorpha |
ヒオドン目 Hiodonti |
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アロワナ目 Osteoglossi |
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骨鰾区 Otoce |
ニシン上目 Clupeomorpha |
ニシン目 Clupeiformes |
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セキトリイワシ上目 Alepocephali |
セキトリイワシ目 Alepocephali |
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骨鰾上目 Ostario |
前骨鰾系 Anotophysi |
ネズミギス目 Gonorynchi |
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骨鰾系 Oto |
コイ亜系 Cyprini |
コイ目 Cyprini |
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カラシン亜系 Characi |
カラシン目 Characi |
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ナマズ亜系 Siluri |
ナマズ目 Siluriformes |
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デンキウナギ目 Gymnoti |
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正真骨区 Eutele 正真骨区 Eutele |
レピドガラクシアス上目 Lepidogalaxii |
レピドガラクシアス目 Lepidogalaxii |
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原棘鰭上目 Protacanthopterygii |
サケ目 Salmoni |
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カワカマス目 Esociformes |
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キュウリウオ上目 Osmeromorpha |
ニギス目 Argentini |
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ガラクシアス目 Galaxiiformes |
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キュウリウオ目 Osmeri |
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ワニトカゲギス目 Stomiiformes |
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シャチブリ上目 Ateleopodomorpha |
シャチブリ目 Ateleopodi |
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円鱗上目 Cyclosquamata |
ヒメ目 Aulopiformes |
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ハダカイワシ上目 Scopelomorpha |
ハダカイワシ目 Myctophi |
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アカマンボウ上目 Lamprimorpha |
アカマンボウ目 Lampri |
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側棘鰭上目 Paracanthopterygii |
ギンメダイ目 Polymixii |
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サケスズキ目 Percopsi |
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マトウダイ目 Zeiformes |
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ステューレポルス目 Stylephori |
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タラ目 Gadiformes |
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棘鰭上目 Acantho 棘鰭上目 Acantho |
キンメダイ系 Berycida |
イットウダイ目 Holocentri |
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ヒウチダイ目 Trachichthyi |
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キンメダイ目 Beryciformes |
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スズキ系 Perco スズキ系 Perco |
アシロ亜系 Ophi |
アシロ目 Ophidii |
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ガマアンコウ亜系 Batra |
ガマアンコウ目 Batrachoidi |
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ハゼ亜系 Gobiida |
コモリウオ目 Kurtiformes |
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ハゼ目 Gobiiformes |
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サバ亜系 Scombri |
ヨウジウオ目 Syngnathi |
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イレズミコンニャクアジ目 Icosteiformes |
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ネズッポ目 Callionymi |
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ムカシクロタチ目 Scombrola |
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サバ目 Scombri |
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オバレンタリア亜系 Ovalen |
ボラ目 Mugiliformes |
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カワスズメ(シクリッド)目 Cichliformes |
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イソギンポ目 Blenniiformes |
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ウバウオ目 Gobiesoci |
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トウゴロウイワシ目 Atherini |
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ダツ目 Beloniformes |
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カダヤシ目 Cyprinodonti |
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所属不明 incertae sedis |
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キノボリウオ亜系 Anaban |
タウナギ目 Synbranchi |
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キノボリウオ目 Anabanti |
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アジ亜系 Caran |
アジ目 Carangi |
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マカジキ目 Istiophori |
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カレイ目 Pleuronecti |
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真スズキ亜系 Euper |
ワニギス目 Trachini |
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ベラ目 Labriformes |
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スズキ目 Perciformes |
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カサゴ目 Scorpaeni |
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モロネ目 Moroni |
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ニザダイ目 Acanthuri |
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タイ目 Spariformes |
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ヒシダイ目 Caproi |
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アンコウ目 Lophiiformes |
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フグ目 Tetraodonti |
魚類の大半が所属しています。骨格の大半が硬骨で構成されています(硬骨魚類)。鰭条と呼ばれる線状の鰭を持ちます。
一般的に魚類と言えばこのグループを指すことが多いです。海水・淡水を問わず、水中で最も繁栄している脊椎動物です。
四肢動物の肺と相同である鰾(ひょう/浮き袋)を持ち、浮力調節を行います。鱗を持つ種が多いですが、持たない種も存在します。
分類階級は上綱[Ruggiero et al. (2015)]としたり、亜綱[Nelson (2016)]としたりすることもあります。当サイトでは綱[きまぐれ生物学]を採用しています。
3亜綱67目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。当サイトの条鰭綱の分類は主に[Nelson (2016)]に従っています。([Nelson (2006)]に準拠する古い分類は→こちら)
以下に内部分類を下綱の階級まで示します。
腕鰭亜綱とも。ポリプテルス、アミメウナギの仲間です。ポリプテルス目1目のみから成ります。小離鰭と呼ばれる小さな背鰭が10枚前後ある、「ガノイン鱗」と呼ばれる硬い鱗に覆われているなどの特徴があります。
条鰭綱の中では最も最初に分岐しており、原始的な特徴を有しています。生きている化石と呼ばれることもあります。アフリカの淡水に生息する熱帯魚です。
鰾(浮き袋)は肺としての機能も有しており、空気呼吸を行うこともあります。ハイギョと共通していますが、肺魚綱ではありません。
チョウザメ、ヘラチョウザメの仲間です。現生種に限ればチョウザメ目と同じです。チョウザメの卵は高級食材のキャビアとして有名です。
条鰭綱の中では分岐鰭亜綱の次に分岐しており、原始的な特徴を有しています。生きている化石と呼ばれることもあります。
骨格の大半が軟骨である特徴を有しています。和名に「~ザメ」と付いており見た目もサメに似ていますが、軟骨魚綱ではありません。
全骨下綱、真骨下綱の2下綱65目から成ります。条鰭綱の大半を占めます。
ガー、アミアの仲間です。ガー目、アミア目の2目のみから成ります。姉妹群は真骨下綱(Teleostei)です。
新鰭亜綱の中ではやや原始的なグループです。ポリプテルス目同様、鰾(浮き袋)は肺としての機能も有しており、空気呼吸を行うこともあります。
ガーの仲間です。北米に生息する淡水魚です。ポリプテルス目同様、「ガノイン鱗」と呼ばれる硬い鱗に覆われているなどの特徴があります。
原始的な特徴を有しているため、生きている化石と呼ばれることもあります。姉妹群はアミア目(Amiiformes)です。
現生種はアミア・カルヴァ(Amia calva)1種のみから成ります。北米に生息する淡水魚です。ガー目と異なりガノイン鱗は退化傾向にあります。
原始的な特徴を有しているため、生きている化石と呼ばれることもあります。姉妹群はガー目(Lepisosteiformes)です。
条鰭綱の大半を占める一大グループです。4区63目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群は全骨下綱(Holostei)です。
鰾(浮き袋)は肺としての機能を失っており、浮力調節に特化しています。鱗はポリプテルス目やガー目のようなガノイン鱗ではなく、いわゆる普通の円鱗(葉状鱗)である種が多いです。
以下は[Nelson (2016)]に基づく4区間の関係となります。
カライワシ、ソトイワシ、ウナギ、ソコギスの仲間です。4目から成ります。
真骨下綱に所属する4つの区の中では最初に分岐したとされます。幼生はレプトケファルスと呼ばれ、平たく透明な形状をしているのが特徴です。
「~イワシ」の和名を持つ種が多いですが、イワシとは異なる系統の生物です(イワシは骨鰾区ニシン目)。
ウナギ、アナゴ、ウツボ、ウミヘビ、フウセンウナギなどの仲間です。
体は細長く、いわゆるウナギ型をしています。ウナギやアナゴは食用として人気があり、ウナギの蒲焼や寿司のネタとして有名です。
チンアナゴなどはその愛らしい姿から観賞魚として人気があります。ウツボは噛む力が強かったり一部の種は毒を持っていたりして危険視されています。
当目のウミヘビ科(Ophichthidae)は、爬虫綱有鱗目コブラ科のウミヘビ亜科(Hydrophiinae)とは全く別のグループです。
ヒオドン、アロワナの仲間です。2目から成ります。真骨下綱に所属する4つの区の中ではカライワシ区に次いで分岐したとされます。
やや原始的な特徴を有しており、古代魚、生きている化石と呼ばれることもあります。
現生種はムーンアイ(Hiodon tergisus)、ゴールドアイ(Hiodon alosoides)の1属2種のみから成ります。
北米に生息する淡水魚です。
アロワナ、ピラルクー、ナギナタナマズ、エレファントノーズフィッシュなどの仲間です。熱帯域に生息する淡水魚です。
アロワナは観賞魚として人気があります。一部の種は鰾(浮き袋)を肺の様に空気呼吸に使ったり、発電器官を持っていたりします。
ピラルクーは淡水魚として世界最大級の大きさ(3m-5m)を誇ります。
骨鰾上目およびこれに近縁なニシン、セキトリイワシの仲間です。3上目7目から成ります。姉妹群は正真骨区(Euteleostei)です。
ニシン、イワシ、ヒラ、サッパ、コノシロなどの仲間です。漁業資源として重要な種を多く含みます。主にプランクトンを餌としています。
ニシンやイワシは食材としてよく利用されます。塩焼きやフライなどにする他、ニシンの卵である数の子、ニシンを発酵させたシュールストレミング、イワシの稚魚であるちりめんじゃこ(しらす干し)、主にイワシを煮て干した煮干しなどが有名です。
ネズミギス、コイ、カラシン、ナマズ、デンキウナギの仲間です。2系5目から成ります。
現生魚類の3割近くを占め、淡水魚では7割近くを占める大きめのグループです。表皮が傷つくと警報物質が放散されたり、多くの種(特に骨鰾系)でウェーバー器官を持ち聴覚に優れるなどの特徴があります。
ウェーバー器官とは鰾(浮き袋)と聴覚器を繋ぐ小骨で、「骨鰾」の名の由来になっています。
コイ、フナ、タナゴ、ドジョウ、キンギョなどの仲間です。淡水魚として有名な種を多く含む大きめのグループです。
口の部分に歯を持たず、喉の部分に咽頭歯と呼ばれる歯を持つのが特徴です。ニシキゴイやキンギョは観賞魚として有名です。
テトラ、ピラニアの仲間です。南北アメリカやアフリカに生息する淡水魚です。
日本には生息しないので日本人にはやや馴染みが薄いですが、色鮮やかなテトラは観賞魚として知られている他、肉食魚のピラニアは有名です。
ナマズ、ギギ、ギバチ、デンキナマズの仲間です。日本を含む世界中に分布する淡水魚です。
感覚器として発達した口ひげが特徴です。日本ではナマズは地震を起こすという通俗が有名です。
デンキウナギの仲間です。発電器官を持つ淡水魚です。デンキナマズがナマズ目なのに対して、デンキウナギはウナギ目とは別の仲間です。
特にデンキウナギ(Electrophorus electricus)は有名で、最大で800Vもの電気を発生させることができます。
真骨下綱に所属する4つの区の中では最大のグループです。9上目50目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群は骨鰾区(Otocephala)です。
サケ、カワカマスの仲間です。2目から成ります。正真骨区の中ではやや原始的なグループです。
当上目の体系は不安定で、例えば[Nelson (2006)]ではニギス目、キュウリウオ目を含めていましたが、[Nelson (2016)]ではこれら2目は除外されています。
シロザケ、ベニザケ、ギンザケ、イワナ、サクラマス(ヤマメなど)、ニジマス、マスノスケ(キングサーモン)などの仲間です。
別名シャケ。和名に「サケ(鮭)」「マス(鱒)」がつく仲間が多いです。英語ではサーモン(salmon)、トラウト(trout)と呼ばれます。
川で生まれ、海で成長し再び川に戻る回帰性を持つ種が多く見られます。
サケ類の肉は美味とされ、食用として人気です。またその卵は食用にされ、イクラや筋子と呼ばれます。
ニギス、ガラクシアス、キュウリウオ、ワニトカゲギスの仲間です。4目から成ります。
分類体系によっては原棘鰭上目などに含められたりしています。当サイトでは[Nelson (2016)]に従い独立の上目としています。
ニギス、デメニギス、ソコイワシなどの仲間です。[Nelson (2016)]では原棘鰭上目から除外され、キュウリウオ上目に含まれています。
体色が銀色のものが多く、学名の「Argent-」はラテン語の銀(argentum)に由来します。大半が深海魚です。
ニギスは食用にされることもあります。またデメニギスの独特の外観(透明の膜に覆われた管状の目が上を向いている)はTV番組で取り上げられたため知っている人もいるかと思います。
キュウリウオ、アユ、シシャモ、シラウオ、ワカサギなどの仲間です。[Nelson (2016)]では原棘鰭上目から除外され、キュウリウオ上目に含まれています。
淡水あるいは川と海を往復して暮らします。釣りの対象として有名な種が多いです。食用にされることもあります。
ギンメダイ、サケスズキ、マトウダイ、ステューレポルス、タラの仲間です。5目から成ります。棘鰭上目とは姉妹群とされます。
当上目の体系は不安定で、例えば[Nelson (2006)]ではアシロ目、ガマアンコウ目、アンコウ目を含めていましたが、[Nelson (2016)]ではこれら3目は除外されています。
マダラ、スケトウダラ、コマイ、ソコダラなどの仲間です。ほとんどが海水魚で、漁業資源として重要な種を多く含みます。
肉が食用に供されるほか、かまぼこなど加工食品の原料になります。精巣は白子、卵巣はたらこと呼ばれ食用とされます。
正真骨区に所属する9つの上目の中で最大のグループで、魚類の半数ほどを占めると言われています。2系34目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群は側棘鰭上目とされます。
鰭に棘条と呼ばれる棘状の支持構造を持つことから、棘鰭上目と呼ばれます(学名の「Acantho-」も意味は同じ)。
多くの種で鰾(浮き袋)における気道が失われ、閉鰾(無気管鰾)となっています。空気は奇網からガス腺を介して取り込みます。
イットウダイ、ヒウチダイ、キンメダイの仲間です。3目から成ります。姉妹群はスズキ系です。
棘鰭上目の中では最初に分岐したグループです。深海魚が多く含まれ、一部の種は生物発光を行います。
棘鰭上目における大きなグループです。8亜系31目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。姉妹群はキンメダイ系です。
[Nelson (2016)]ではアシロ亜系(Ophidiida)、ガマアンコウ亜系(Batrachoidida)、ハゼ亜系(Gobiida)、オバレンタリア亜系(Ovalentaria)の4つの亜系を定めています。
残る4つの亜系(サバ亜系(Scombrimorpharia)、キノボリウオ亜系(Anabantaria)、アジ亜系(Carangaria)、真スズキ亜系(Eupercaria))については[Wikipedia英語版]、[Betancur-R. et al. (2013, 2014, 2016, 2017)]を参考に分類表に当てはめています。
Gobiomorphariaとも。コモリウオ、ハゼの仲間です。2目から成ります。
スズキ系の中ではアシロ亜系、ガマアンコウ亜系に次いで3番目に分岐したと言われています。
コモリウオ、テンジクダイ、ネンブツダイなどの仲間です。姉妹群はハゼ目とされます。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
卵を口の中あるいは頭の上の突起に引っ掛けて保護する仲間がいることが知られています。
ハゼ(マハゼ、トビハゼ、ボウズハゼ、ゴマハゼ、ムツゴロウなど)、カワアナゴ、ドンコなどの仲間です。姉妹群はコモリウオ目とされます。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
水底で生活する底生魚が多いです。一部の種(トビハゼ、ムツゴロウ)は干潟で生活します。ゴマハゼの仲間は最小クラスの脊椎動物であることが知られています。
ヨウジウオ、ネズッポ、サバなどの仲間です。5目から成ります。
[Nelson (2016)]ではこのクレードに名前が付いていませんが、アシロ亜系、ガマアンコウ亜系、ハゼ亜系を除く全てのスズキ系の姉妹群として提案されています。
当サイトでは[Wikipedia英語版]、[Betancur-R. et al. (2013, 2014, 2016, 2017)]を参考にサバ亜系(Scombrimorpharia)と名付けています。
ヨウジウオ、タツノオトシゴ、シードラゴン、ヤガラ、ヘコアユなどの仲間です。
およそ魚とは思えない変わった形状の仲間が多くいます。また育児嚢を持ちオスが子供を育てる種がいることが知られています。
サバ(マサバ、ゴマサバなど)、カツオ、マグロ(クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガ、キハダなど)、サワラ、タチウオなどの仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
漁業資源として有名な種を多く含みます。特にサバの味噌煮、しめ鯖、鰹節、カツオの叩き、マグロの寿司、ツナ缶などは有名です。
マグロの仲間は乱獲により絶滅が心配されている他、食物連鎖の頂点に位置しているため水銀などを濃縮する場合があることが問題視されています。
一部の種(バラムツなど)は体にワックスエステル(蝋)を多く含むため、食用に適しません(多量に食べると下痢を引き起こします)。
ボラ、カワスズメ(シクリッド)、ダツ、カダヤシ、ウミタナゴ、スズメダイなどの仲間です。7目(といくつかの所属目不明の科)から成ります。
姉妹群は(キノボリウオ亜系(Anabantaria) + アジ亜系(Carangaria))であることが示唆されています。
また、下位分類にトウゴロウイワシ目、ダツ目、カダヤシ目の3目からなるトウゴロウイワシ下系(Atherinomorpha)が存在します。
ボラ、メナダの仲間です。ボラは食用にされることもありますが、水質汚染に強いことが仇となって、臭みの強い魚との汚名が付いてしまっています。
カワスズメ(シクリッド)の仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
エンゼルフィッシュ、ティラピア、ディスカス、オスカー(アストロノータス)などが知られており、観賞魚として流通しています。アフリカや中南米に生息しています。
ダツ、メダカ、トビウオ、サンマなどの仲間です。形状が細長いものが多いです。
メダカはかつてカダヤシに近縁と考えられていましたが、実際にはダツの方に近縁です。有名な小型魚で、童謡「めだかの学校」はよく知られています。
サンマは食用として有名で、塩焼きなどにします。トビウオは水上を数百m滑空することがあります。ダツは光を当てるなどすると水上に飛び出すことがあり、先端が鋭く尖っていることから人体に刺さることもあり危険視されています。
余談ですが、ダツの名は日本語の「駄津」であり、投げ矢のダーツ(darts)とは関係がありません。
カダヤシ、グッピー、ソードテール、ヨツメウオなどの仲間です。かつてはメダカも含まれていてメダカ目と呼ばれていましたが、メダカがダツ目に移動したためカダヤシ目と呼ばれるようになりました。
アフリカや南北アメリカに生息していて日本には生息していませんでしたが、カダヤシやグッピーは外来種として日本にも定着しています。
スズメダイ、クマノミ、カクレクマノミ、オヤビッチャ、ルリスズメダイなどの仲間です。オバレンタリア亜系に所属しますが、所属目不明の科の1つです。
見た目が美しいものが多く、観賞魚としても良く飼育されます。特にクマノミの仲間は有名で、イソギンチャクと共生することが知られています。
アジ、マカジキ、カレイの仲間です。3目から成ります。
[Nelson (2016)]ではこのクレードに名前が付いていませんが、キノボリウオ亜系(Anabantaria)と合わせたクレードがオバレンタリア亜系の姉妹群となることが示唆されています。
当サイトでは[Wikipedia英語版]、[Betancur-R. et al. (2013, 2014, 2016, 2017)]を参考にアジ亜系(Carangaria)と名付けています。
アジ(マアジなど)、ブリ、カンパチ、ヒラマサ、シイラ、スギ(魚)、コバンザメなどの仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
アジやブリなどは食用として人気で、干物、フライ、焼き魚、煮物などにされます。
コバンザメは他の生物に吸い付いてそのおこぼれをもらう習性が有名です。名前はサメのようですが軟骨魚綱ではありません。
マカジキ、メカジキ、カマス(バラクーダ)の仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
カジキの仲間は上顎(吻)が剣のように長く伸びており、梶木に穴を空けることから「梶木通し」と呼ばれ、これが名前の由来とされます。またカジキは泳ぐのが速く、時速100kmを超える種もいます。
食用としても利用されます。カジキは通称「カジキマグロ」とも呼ばれますが、マグロとは異なる仲間です(マグロはサバ目)。
カレイ、ヒラメ、ウシノシタ、ボウズガレイなどの仲間です。体が左右非対称であることが最大の特徴で、目が左または右に偏っています。水底で暮らす底生魚で、左右非対称に偏った体が都合が良いようです。
俗に「左ヒラメに右カレイ」と呼ばれるようにヒラメは目が左に、カレイは右に偏っている個体が多いです。ボウズガレイは左側眼の個体と右側眼の個体がほぼ同数現れます。食用としても利用されます。
Percomorphariaとも。ベラ、スズキ、カサゴ、タイ、アンコウ、フグなどの仲間です。10目から成ります。
[Nelson (2016)]ではこのクレードに名前が付いていませんが、姉妹群はCarangimorpharia(= オバレンタリア亜系 + (キノボリウオ亜系 + アジ亜系))であることが示唆されています。
当サイトでは[Wikipedia英語版]、[Betancur-R. et al. (2013, 2014, 2016, 2017)]を参考に真スズキ亜系(Eupercaria)と名付けています。
ベラ(ホンベラ、ホンソメワケベラなど)、イラ、メガネモチノウオ、コブダイ、キュウセン、ブダイなどの仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
見た目が鮮やかなものが多いです。特にホンソメワケベラは他の魚についている寄生虫などを食べることで「掃除」することが知られています。
スズキ、ハタ、ムツ、イシダイ、フエダイ、イサキ、ヒイラギ(魚)、アカタチ、チョウチョウウオ、キンチャクダイ、テッポウウオ、コオリウオ、サンフィッシュ(ブラックバス、ブルーギルなど)、クエ、パーチなどの仲間です。
[Nelson (2006)]においては160もの科を含む非常に大きな分類群でした。[Nelson (2016)]においてはハゼ、サバ、アジ、マカジキ、ベラ、タイなどの仲間が外され、62科とかつてよりは小さな規模になっていますがそれでも大きい分類群です。
余談ですが当目の学名「Perciformes」はペルカ(パーチ)科(Family Percidae)のペルカ(パーチ)属(Genus Perca)に由来します。スズキ科(Family Lateolabracidae)のスズキ属(Genus Lateolabrax)ではありません。
カサゴ(ミノカサゴなど)、メバル、オコゼ(オニオコゼなど)、アイナメ、ホッケ、カジカ、トゲウオ、ダンゴウオ、ホウボウ、コチ、ギンダラ、ゲンゲ、アブラボウズなどの仲間です。
外見や生態は多様性に富んでいます。眼下骨棚と呼ばれる骨格上の特徴を有することが最大の特徴とされます。
タイ(マダイ、クロダイなど)、キスなどの仲間です。かつてはスズキ目に含まれていましたが[Nelson (2016)]で分離されました。
タイは日本では「めでたい」に通じるとして高級魚として認知されています。「海老で鯛を釣る」「腐っても鯛」などのことわざは有名です。
アンコウ、アカグツなどの仲間です。大半の種が深海魚です。深海魚らしく見た目がグロテスクな種が多いです。
頭の先に疑似餌として使う突起(誘引突起)が存在します。特にチョウチンアンコウは誘引突起が光ることで有名です。
フグ、カワハギ、ハリセンボン、マンボウなどの仲間です。形状にフグ目らしい特徴があり、泳ぐのはあまり速くありません。
フグの仲間はふぐ料理として利用されますが、テトロドトキシンという猛毒を含む種が多く、調理には免許が必要とされます。
カワハギは調理の際、皮を剥ぎ易いことからこの名が付いています。毒はありません(但し近い仲間のソウシハギは猛毒を持つとされます)。
ハリセンボンは威嚇するとき体を大きく膨らませることで、その鋭い棘をイガグリのように見せつけることで有名です。
マンボウはその独特の形状が有名な大型魚です。一説にはたくさんの卵(億?とも)を産むともされますが真偽のほどは謎です。