鳥下綱(鳥類)(Aves)

科レベルの分類(スズメ目は亜目まで)(Families)

下綱
Infraclass

Cohort
亜区
Subcohort
上目
Superorder

Order
亜目
Suborder
下目
Infraorder

Family
鳥下綱
Aves









































鳥下綱
Aves









































鳥下綱
Aves









































鳥下綱
Aves









































鳥下綱
Aves
古口蓋(古顎)区
Palaeognathae
ダチョウ目
Struthioniformes
ダチョウ科
Struthionidae
レア目
Rheiformes
レア科
Rheidae
シギダチョウ目
Tinamiformes
シギダチョウ科
Tinamidae
ヒクイドリ目
Casuariiformes
ヒクイドリ科
Casuariidae
エミュー科
Dromaiidae
キーウィ目
Apterygiformes
キーウィ科
Apterygidae
新口蓋(新顎)区
Neognathae







































新口蓋(新顎)区
Neognathae







































新口蓋(新顎)区
Neognathae







































新口蓋(新顎)区
Neognathae







































新口蓋(新顎)区
Neognathae
キジカモ亜区
Galloanserae
キジ目
Galliformes
ツカツクリ科
Megapodiidae
ホウカンチョウ科
Cracidae
ホロホロチョウ科
Numididae
ナンベイウズラ科
Odontophoridae
キジ科
Phasianidae
カモ目
Anseriformes
サケビドリ科
Anhimidae
カササギガン科
Anseranatidae
カモ科
Anatidae
ネオアヴェス(新鳥)亜区
Neoaves







































ネオアヴェス(新鳥)亜区
Neoaves







































ネオアヴェス(新鳥)亜区
Neoaves







































ネオアヴェス(新鳥)亜区
Neoaves







































ネオアヴェス(新鳥)亜区
Neoaves

ツル目
Gruiformes
ツル亜目
Grui
ツル科
Gruidae
ツルモドキ科
Aramidae
ラッパチョウ科
Psophiidae
クイナ亜目
Ralli
クイナ科
Rallidae
キボシクイナ科
Sarothruridae
ヒレアシ科
Heliornithidae
チドリ目
Charadriiformes
チドリ亜目
Charadrii
サヤハシチドリ下目
Chionidi
イシチドリ科
Burhinidae
サヤハシチドリ科
Chionidae
マゼランチドリ科
Pluvianellidae
チドリ下目
Charadriides
ミヤコドリ科
Haematopodidae
トキハシゲリ科
Ibidorhynchidae
セイタカシギ科
Recurvirostridae
ムナグロ科
Pluvialidae
チドリ科
Charadriidae
ナイルチドリ科
Pluvianidae
シギ亜目
Scolopaci
ヒバリチドリ下目
Thinocori
タマシギ科
Rostratulidae
レンカク科
Jacanidae
クビワミフウズラ科
Pedionomidae
ヒバリチドリ科
Thinocoridae
シギ下目
Scolopacides
シギ科
Scolopacidae
カモメ亜目
Lari
ミフウズラ下目
Turnici
ミフウズラ科
Turnicidae
カモメ下目
Larides
カニチドリ科
Dromadidae
ツバメチドリ科
Glareolidae
カモメ科
Laridae
トウゾクカモメ科
Stercorariidae
ウミスズメ科
Alcidae
ツメバケイ目
Opisthocomiformes
ツメバケイ科
Opisthocomidae
ハト・クレード
Columbimorphae
ハト目
Columbiformes
ハト科
Columbidae
クイナモドキ目
Mesitornithiformes
クイナモドキ科
Mesitornithidae
サケイ目
Pteroclidiformes
サケイ科
Pteroclidae
ノガン・クレード
Otidimorphae
エボシドリ目
Musophagiformes
エボシドリ科
Musophagidae
ノガン目
Otidiformes
ノガン科
Otididae
カッコウ目
Cuculiformes
カッコウ科
Cuculidae
ジャノメドリ・クレード
Eurypygimorphae
ネッタイチョウ目
Phaethontiformes
ネッタイチョウ科
Phaethontidae
ジャノメドリ目
Eurypygiformes
ジャノメドリ科
Eurypygidae
カグー科
Rhynochetidae
ミランドルニテス上目
Mirandornithes
カイツブリ目
Podicipediformes
カイツブリ科
Podicipedidae
フラミンゴ目
Phoenicopteriformes
フラミンゴ科
Phoenicopteridae
アマツバメヨタカ上目
Strisores
アマツバメ目
Apodiformes
アマツバメ亜目
Apodi
アマツバメ科
Apodidae
カンムリアマツバメ科
Hemiprocnidae
ハチドリ亜目
Trochili
ハチドリ科
Trochilidae
ズクヨタカ亜目
Aegotheli
ズクヨタカ科
Aegothelidae
ヨタカ目[側系統群]
Caprimulgiformes
ヨタカ科
Caprimulgidae
ガマグチヨタカ科
Podargidae
アブラヨタカ科
Steatornithidae
タチヨタカ科
Nyctibiidae
水鳥クレード
Aequornithes
アビ目
Gaviiformes
アビ科
Gaviidae
ペンギン目
Sphenisciformes
ペンギン科
Spheniscidae
ミズナギドリ目
Procellariiformes
アホウドリ科
Diomedeidae
ミズナギドリ科
Procellariidae
モグリウミツバメ科
Pelecanoididae
ウミツバメ科
Hydrobatidae
アシナガウミツバメ科
Oceanitidae
コウノトリ目
Ciconiiformes
コウノトリ科
Ciconiidae
ペリカン目
Pelecaniformes
トキ科
Threskiornithidae
サギ科
Ardeidae
シュモクドリ科
Scopidae
ハシビロコウ科
Balaenicipitidae
ペリカン科
Pelecanidae
カツオドリ目
Suliformes
グンカンドリ亜目
Fregatae
グンカンドリ科
Fregatidae
カツオドリ亜目
Sulae
カツオドリ科
Sulidae
ウ科
Phalacrocoracidae
ヘビウ科
Anhingidae
陸鳥クレード
Telluraves


































陸鳥クレード
Telluraves
タカ目
Accipitriformes
タカ亜目
Accipitres
タカ科
Accipitridae
ミサゴ科
Pandionidae
ヘビクイワシ科
Sagittaridae
コンドル亜目
Cathartae
コンドル科
Cathartidae
フクロウ目
Strigiformes
フクロウ科
Strigidae
メンフクロウ科
Tytonidae
ネズミドリ目
Coliiformes
ネズミドリ科
Coliidae
オオブッポウソウ目
Leptosomatiformes
オオブッポウソウ科
Leptosomatidae
キヌバネドリ目
Trogoniformes
キヌバネドリ科
Trogonidae
サイチョウ目
Bucerotiformes
ヤツガシラ亜目
Upupes(Upupae)
ヤツガシラ科
Upupidae
モリヤツガシラ科
Phoeniculidae
サイチョウ亜目
Bucerotes
サイチョウ科
Bucerotidae
ジサイチョウ科
Bucorvidae
キツツキ目
Piciformes
キリハシ亜目
Galbulae
キリハシ科
Galbulidae
オオガシラ科
Bucconidae
キツツキ亜目
Pici
オオハシ下目
Ramphastides
オオゴシキドリ科
Megalaimidae
オオハシ科
Ramphastidae
ハバシゴシキドリ科
Lybiidae
キツツキ下目
Picides
キツツキ科
Picidae
ミツオシエ科
Indicatoridae
ブッポウソウ目
Coraciiformes
ハチクイ亜目
Meropes
ハチクイ科
Meropidae
ブッポウソウ亜目
Coracii
ブッポウソウ科
Coraciidae
ジブッポウソウ科
Brachypteraciidae
カワセミ亜目
Alcedini
カワセミ科
Alcedinidae
ハチクイモドキ科
Momotidae
コビトドリ科
Todidae
ノガンモドキ目
Cariamiformes
ノガンモドキ科
Cariamidae
ハヤブサ目
Falconiformes
ハヤブサ科
Falconidae
オウム目(インコ目)
Psittaciformes
オウム科
Cacatuidae
インコ科
Psittacidae
スズメ目
Passeriformes
イワサザイ亜目
Acanthisitti
イワサザイ科
Acanthisittidae
タイランチョウ亜目
Tyranni
スズメ亜目
Passeri


分類表更新:2018年10月


鳥下綱(Infraclass Aves)

いわゆる鳥類の仲間です。現生種における姉妹群は、同じ主竜亜綱に所属するワニ目(Crocodylia)とされます。

最近の学説によると、鳥類は恐竜(Dinosauria)の生き残りであり、爬虫綱の仲間とされます(つまり、単系統群としての恐竜は絶滅しておらず、非鳥恐竜(non-avian dinosaur)[側系統群]が絶滅したというのが正確です。現生生物に限れば、恐竜 = 鳥類です)。

他の爬虫類と異なり恒温動物であり、体が羽毛に覆われています。歯を失い、(くちばし)を持ちます。前足が翼に変化しており、空を飛べる種が多いです。

伝統的に鳥類の分類階級は綱ですが、爬虫綱 - 主竜亜綱の下位分類であるため、当サイトでは下綱(Infraclass)階級としています。なお[Ruggiero et al. (2015)]では鳥亜綱(Subclass Aves)としています。

当サイトでは(参考:きまぐれ生物学)に倣い、鳥類の内部分類に区(Cohort)と亜区(Subcohort)の分類階級を採用しています。2区40目を含みます。

古口蓋区(Cohort Palaeognathae)

古顎区とも。ダチョウ、レア、シギダチョウ、ヒクイドリ、エミュー、キーウィの仲間です。5目6科を含みます。

鳥類の中では原始的なグループになります。鳥類の約0.5%ほどを占めます。シギダチョウ以外は空を飛ぶことができず、走鳥類・平胸類とも呼ばれます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]では古口蓋下綱(Infraclass Palaeognathae)としています。

ダチョウ目(Order Struthioniformes)

ダチョウ(Struthio camelus)1種のみから成ります。ダチョウ科(Struthionidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。アフリカに生息しています。

レア目(Order Rheiformes)

レア(Rhea americana)とダーウィンレア(Rhea pennata)の2種のみから成ります。レア科(Rheidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。南アメリカに生息しています。

シギダチョウ目(Order Tinamiformes)

シギダチョウの仲間です。シギダチョウ科(Tinamidae)1科のみを含みます。短距離なら空を飛ぶことができます。北アメリカ南部、南アメリカに生息しています。

ヒクイドリ目(Order Casuariiformes)

ヒクイドリ、エミューの仲間です。2科を含みます。空を飛ぶことができません。ヒクイドリはニューギニアやオーストラリア、エミューはオーストラリアに生息しています。

キーウィ目(Order Apterygiformes)

キーウィの仲間です。キーウィ科(Apterygidae)1科のみを含みます。空を飛ぶことができません。ニュージーランドに生息しています。

新口蓋区(Cohort Neognathae)

新顎区とも。古口蓋区以外の鳥類から成ります。2亜区35目を含む大きなグループです。

古口蓋区と比較すると進化的なグループになります。鳥類のほとんど(約99.5%)を占めます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]では新口蓋下綱(Infraclass Neognathae)としています。

キジカモ亜区(Subcohort Galloanserae)

キジ、カモの仲間です。2目8科を含みます。

新口蓋区の中では比較的原始的なグループです。鳥類の約4.5%ほどを占めます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]ではキジカモ上目(Superorder Galloanserae)としています。

キジ目(Order Galliformes)

ツカツクリ、ホウカンチョウ、ホロホロチョウ、ナンベイウズラ、キジの仲間です。5科を含みます。短距離なら空を飛ぶことができます。

有名な種の大半がキジ科に所属します。特にニワトリ(Gallus gallus domesticus)は家禽として有名で、世界中で飼育されています。

ちなみにキジ(Phasianus versicolor)は日本の国鳥です。

カモ目(Order Anseriformes)

サケビドリ、カササギガン、カモの仲間です。3科を含みます。水辺に生息している水鳥です。

有名な種の大半がカモ科に所属します。家禽としてはアヒルやガチョウが有名です。

ネオアヴェス亜区(Subcohort Neoaves)

新鳥亜区とも。キジカモ亜区以外の新口蓋区から成ります。33目を含む大きなグループです。

キジカモ亜区と比較すると進化的なグループになります。鳥類のほとんど(約95%)を占めます。

なお[Ruggiero et al. (2015)]ではネオアヴェス(新鳥)上目(Superorder Neoaves)としています。

ネオアヴェス亜区内部の分類は確定していません。当サイトでは[Prum et al. (2015)]と[Jarvis et al. (2014)]の両方で認められるクレードを暫定的に分類表の上目の箇所に当てはめています(ツル目、チドリ目、ツメバケイ目については食い違いが見られたため未定としています)。

ツル目(Order Gruiformes)

ツル、クイナなどの仲間です。2亜目6科を含みます。有名な種の大半はツル科かクイナ科に所属しています。

チドリ目(Order Charadriiformes)

チドリ、シギ、カモメなどの仲間です。20科を含むやや大きめのグループです。水辺に生息している水鳥が多いです。

内部分類は3亜目に分ける見解と6亜目に分ける見解があります。当サイトでは間を取って3亜目6下目に分けています。

チドリ亜目(Suborder Charadrii)
サヤハシチドリ下目(Infraorder Chionidi)

亜目階級とすることも。イシチドリ、サヤハシチドリ、マゼランチドリの仲間です。3科を含みます。

チドリ下目(Infraorder Charadriides)

狭義のチドリ亜目(Suborder Charadrii sensu stricto)。

ミヤコドリ、トキハシゲリ、セイタカシギ、ムナグロ、チドリ、ナイルチドリの仲間です。6科を含みます。

ムナグロの仲間は他のチドリ科の仲間との単系統性が疑わしいため、チドリ科から分離してムナグロ科(Pluvialidae)としています。

シギ亜目(Suborder Scolopaci)
ヒバリチドリ下目(Infraorder Thinocori)

亜目階級とすることも。タマシギ、レンカク、クビワミフウズラ、ヒバリチドリの仲間です。4科を含みます。

クビワミフウズラ科は過去にはツル目に含められたこともありました。

シギ下目(Infraorder Scolopacides)

狭義のシギ亜目(Suborder Scolopaci sensu stricto)。

シギの仲間です。シギ科(Scolopacidae)1科のみを含みます。

カモメ亜目(Suborder Lari)
ミフウズラ下目(Infraorder Turnici)

亜目階級とすることも。ミフウズラの仲間です。ミフウズラ科(Turnicidae)1科のみを含みます。

過去にはツル目に含められたこともありました。

カモメ下目(Infraorder Larides)

狭義のカモメ亜目(Suborder Lari sensu stricto)。

カニチドリ、ツバメチドリ、カモメ、トウゾクカモメ、ウミスズメの仲間です。5科を含みます。

絶滅した†オオウミガラス(Pinguinus impennis)はウミスズメ科に所属し、元祖ペンギンとも呼ばれていました。

ツメバケイ目(Order Opisthocomiformes)

ツメバケイ(Opisthocomus hoazin)1種のみから成ります。ツメバケイ科(Opisthocomidae)1科のみを含みます。南アメリカに生息しています。

ハト・クレード(Columbimorphae)

ハト目、クイナモドキ目、サケイ目の3目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

ハト目(Order Columbiformes)

ハトの仲間です。ハト科(Columbidae)1科のみを含みます。

カワラバトなどが有名です。絶滅した†ドードーや†リョコウバトも含みます。余談ですがキジバトはキジ科ではなくハト科です。

クイナモドキ目(Order Mesitornithiformes)

クイナモドキの仲間です。クイナモドキ科(Mesitornithidae)1科のみを含みます。ツル目(クイナ科を含む)と近縁かどうかは不明です。

サケイ目(Order Pteroclidiformes)

サケイの仲間です。サケイ科(Pteroclidae)1科のみを含みます。

過去にはハト目サケイ科とされていました。現在では独立目とするのが主流ですが、同じハト・クレードに属していて、ハト目と近縁ではあります。

ノガン・クレード(Otidimorphae)

エボシドリ目、ノガン目、カッコウ目の3目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

エボシドリ目(Order Musophagiformes)

エボシドリの仲間です。エボシドリ科(Musophagidae)1科のみを含みます。頭部に烏帽子のような目立つ冠羽があります。

ノガン目(Order Otidiformes)

ノガンの仲間です。ノガン科(Otididae)1科のみを含みます。

過去にはツル目に含められたこともありました。現在ではツル目と近縁かどうかは不明です。

カッコウ目(Order Cuculiformes)

カッコウの仲間です。カッコウ科(Cuculidae)1科のみを含みます。

カッコウを始め、多くの種が托卵をすることで有名です。ホトトギスは「鳴かぬなら~ホトトギス」の言い習わしで有名です(~には「殺してしまえ」「鳴くまで待とう」などが入ります)。

ジャノメドリ・クレード(Eurypygimorphae)

ネッタイチョウ目、ジャノメドリ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

ネッタイチョウ目(Order Phaethontiformes)

ネッタイチョウの仲間です。ネッタイチョウ科(Phaethontidae)1科のみを含みます。

過去にはペリカン目に所属していたこともありましたが、系統解析の結果ネッタイチョウ目として分離されました。

ジャノメドリ目(Order Eurypygiformes)

ジャノメドリ、カグーの仲間です。2科を含みます。

ミランドルニテス上目(Superorder Mirandornithes)

カイツブリ目、フラミンゴ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

カイツブリ目(Order Podicipediformes)

カイツブリの仲間です。カイツブリ科(Podicipedidae)1科のみを含みます。

水辺に生息する水鳥で、足が後方についているため陸上ではまともに立つことができませんが、水中では大きな推進力を得ることができます。似た特徴を持つアビ目とは特に近縁ではありません。

フラミンゴ目(Order Phoenicopteriformes)

フラミンゴの仲間です。フラミンゴ科(Phoenicopteridae)1科のみを含みます。

水辺に生息する水鳥で、片足で直立している姿を見ることができます。体のピンク色は餌である藍藻(シアノバクテリア)由来です。

アマツバメヨタカ上目(Superorder Strisores)

アマツバメ目、ヨタカ目の2目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

ヨタカ目は側系統群であり、アマツバメ目と合わせて初めて単系統群になります(当クレード)。

アマツバメ目(Order Apodiformes)

アマツバメ、ハチドリ、ズクヨタカの仲間です。3亜目4科を含みます。ズクヨタカ亜目以外は昼行性です。

「~ツバメ」と名付けられていますが、ツバメ(スズメ目)とは特に近縁ではありません。

アマツバメ亜目(Suborder Apodi)

アマツバメ、カンムリアマツバメの仲間です。2科を含みます。昼行性です。

足の指が全て前方を向いているため木の枝に止まることができません。そのためかいつも空を飛んでおり、地上に止まるのは繁殖の時など例外的です。

ハチドリ亜目(Suborder Trochili)

ハチドリの仲間です。ハチドリ科(Trochilidae)1科のみを含みます。昼行性です。木の枝に止まることが可能です。

鳥類の中で最も体が小さいグループであり、特にマメハチドリ(Mellisuga helenae)は世界最小の鳥です。

ホバリング飛行が得意であり、ブンブン音を立てることからハチドリ(Hummingbird)と名付けられています。

ズクヨタカ亜目(Suborder Aegotheli)

ズクヨタカの仲間です。ズクヨタカ科(Aegothelidae)1科のみを含みます。夜行性です。木の枝に止まることが可能です。

過去にはヨタカ目に含められていましたが、系統解析の結果アマツバメ目の方により近縁なため、現在ではアマツバメ目に含められます。

ヨタカ目(Order Caprimulgiformes)[側系統群(paraphyletic)]

ヨタカ、ガマグチヨタカ、アブラヨタカ、タチヨタカの仲間です。4科を含みます。夜行性です。

「~タカ」と名付けられていますが、タカ目とは特に近縁ではありません。過去にはズクヨタカ科が含まれていましたが、現在では含まない分類が主流です。

ヨタカ目は側系統群であり、アマツバメ目と合わせない限り単系統群にはなりません。4科間の関係があまりよく分かっていないため、2018年現在、分類の再編があまり進んでいません。

水鳥クレード(Aequornithes)

アビ目、ペンギン目、ミズナギドリ目、コウノトリ目、ペリカン目、カツオドリ目の6目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

その名の通り水鳥を多く含みます。

グアノは主に当グループ海鳥の糞が堆積したもので、窒素資源やリン資源として利用されています(いました)。

アビ目(Order Gaviiformes)

アビの仲間です。アビ科(Gaviidae)1科のみを含みます。

海洋に生息する水鳥で、足が後方についているため陸上で立つことはできません。繁殖の際に陸上に上がる場合は体を這うように移動します。似た特徴を持つカイツブリ目とは特に近縁ではありません。

ペンギン目(Order Sphenisciformes)

ペンギンの仲間です。ペンギン科(Spheniscidae)1科のみを含みます。姉妹群はミズナギドリ目(Procellariiformes)です。

南半球に生息する水鳥で、空を飛ぶことはできませんが泳ぎは得意です。日本では動物園や水族館で人気の動物です。

ミズナギドリ目(Order Procellariiformes)

アホウドリ、ミズナギドリ、モグリウミツバメ、ウミツバメ、アシナガウミツバメの仲間です。5科を含みます。姉妹群はペンギン目(Sphenisciformes)です。

ペンギン目と異なり空を飛ぶことができます。アシナガウミツバメの仲間は他のウミツバメ科の仲間との単系統性が疑わしいため、ウミツバメ科から分離してアシナガウミツバメ科(Oceanitidae)としています。

コウノトリ目(Order Ciconiiformes)

コウノトリの仲間です。コウノトリ科(Ciconiidae)1科のみを含みます。

過去にはトキ科、サギ科、シュモクドリ科、ハシビロコウ科を含んでいましたが、系統解析の結果これらはペリカン科に近縁であることが分かったため現在ではコウノトリ目に含みません。

コウノトリは赤ちゃんを運んでくるなどの言い習わしで有名です。

ペリカン目(Order Pelecaniformes)

トキ、サギ、シュモクドリ、ハシビロコウ、ペリカンの仲間です。5科を含みます。

過去にはカツオドリ目・ネッタイチョウ目の仲間が所属していたことがあり、逆にトキ科、サギ科、シュモクドリ科、ハシビロコウ科を含んでいませんでした。

トキ科のトキ(Nipponia nippon)は学名のためか日本の国鳥と思われがちですが、実際の日本の国鳥はキジです。

ハシビロコウ(Balaeniceps rex)はアフリカに生息しており、「動かない鳥」として有名です。

カツオドリ目(Order Suliformes)

グンカンドリ、カツオドリ、ウ、ヘビウの仲間です。4科を含みます。

過去にはこのグループはペリカン目に所属していましたが、系統解析の結果カツオドリ目として分離されました。

典型的な水鳥であり、魚を主食としています。グンカンドリの仲間は他の水鳥(主にカツオドリ科)から餌を奪うことで有名です。

ウは「鵜呑み」「鵜の真似をする烏(カラス)」の言い回しや鵜飼いの漁法で有名です。

陸鳥クレード(Telluraves)

タカ目、フクロウ目、ネズミドリ目、オオブッポウソウ目、キヌバネドリ目、サイチョウ目、キツツキ目、ブッポウソウ目、ノガンモドキ目、ハヤブサ目、オウム目、スズメ目の12目を含むクレードです。当サイトの分類表では上目相当としていますが正式な分類階級は未定です。

その名の通り陸鳥を多く含みます。

タカ目(Order Accipitriformes)

タカ、ワシ、ミサゴ、ヘビクイワシ、コンドルの仲間です。2亜目4科を含みます。

生態系の高位に立つ猛禽類であり、鋭くとがった爪や嘴を持っています。種の大半がタカ科に所属します。視力に優れる種が多いです。

タカとワシの区別に明確な基準はなく、タカよりワシの方が若干体が大きいくらいでどちらもタカ科です(例外もあります)。

コンドル科の仲間は屍肉を食べる習性があります。他のタカ目とは別のコンドル亜目としますが、別目のコンドル目(Cathartiformes)とする分類もあります。

過去にはハヤブサ科が所属していましたが、系統解析の結果ハヤブサ目として分離されました。

フクロウ目(Order Strigiformes)

フクロウ、メンフクロウの仲間です。2科を含みます。大半の種が夜行性です。視覚(特に夜)と聴覚に優れています。

メンフクロウ以外の大半の種がフクロウ科に所属します。羽角のあるものをミミズク、羽角のないものをフクロウと言ったりしますが、どちらもフクロウ目です。

そのどこか愛嬌のあるルックスに反して、猛禽類として認識されています。余談ですがワシミミズクはタカ科ではなくフクロウ科です。

ネズミドリ目(Order Coliiformes)

ネズミドリの仲間です。ネズミドリ科(Coliidae)1科のみを含みます。ネズミのような羽毛の色、ネズミの様に走ることからネズミドリと呼ばれます。

オオブッポウソウ目(Order Leptosomatiformes)

オオブッポウソウ(Leptosomus discolor)1種のみから成ります。オオブッポウソウ科(Leptosomatidae)1科のみを含みます。

過去にはブッポウソウ目に所属していましたが、系統解析の結果オオブッポウソウ目として分離されました。

キヌバネドリ目(Order Trogoniformes)

キヌバネドリの仲間です。キヌバネドリ科(Trogonidae)1科のみを含みます。羽の色が鮮やかなケツァールが有名です。

サイチョウ目(Order Bucerotiformes)

ヤツガシラ、サイチョウの仲間です。2亜目4科を含みます。熱帯地方に生息する鳥であり、日本を含む温帯地方で見かけるのはヤツガシラ科のヤツガシラ(Upupa epops)のみです。

キツツキ目(Order Piciformes)

キリハシ、オオハシ、キツツキの仲間です。2亜目7科を含みます。

キツツキは木をつつくことから名付けられています。別名ケラとも呼ばれ、キツツキ科の鳥には「~ゲラ」の和名を持つ種が多いです。

オオハシ科は3つの亜科に分かれますが、それぞれをゴシキドリ科(Capitonidae)、オオハシゴシキドリ科(Semnornithidae)、オオハシ科とする分類もあります(この場合、当目は9科となります)。

南アメリカに生息するオニオオハシ(Ramphastos toco)は嘴の占める割合が鳥類最大であることで有名です。

ブッポウソウ目(Order Coraciiformes)

ハチクイ、ブッポウソウ、カワセミの仲間です。3亜目6科を含みます。

伝統的なブッポウソウ目は側系統群であり、単系統群にするためにオオブッポウソウ目やサイチョウ目が分離されました。

カワセミは水辺で狩りをすることで有名であり、その鮮やかな羽の色は構造色(CDの記録面と同じ理屈)です。

ノガンモドキ目(Order Cariamiformes)

ノガンモドキの仲間です。ノガンモドキ科(Cariamidae)1科のみを含みます。

ハヤブサ目(Order Falconiformes)

ハヤブサの仲間です。ハヤブサ科(Falconidae)1科のみを含みます。

タカ目同様、生態系の高位に立つ猛禽類であり、過去にはタカ目に含められていました。現在では独立目とする分類が主流です。

ハヤブサの仲間は時速300km超で飛行する種がおり、2018年現在、新幹線の名前の由来にもなっています。

オウム目(Order Psittaciformes)

インコ目とも。オウム、インコの仲間です。2科を含みます。姉妹群はスズメ目(Passeriformes)です。

湾曲した嘴と鮮やかな羽の色が特徴で、人の言葉を喋る種がいるなど知能が高いです。

オウムとインコの名前の区別に明確な基準はなく、オウム科に「~インコ」、インコ科に「~オウム」と名付けられた種も存在します。

オウム目の内部分類は研究途上であり、インコ科は側系統群である可能性もあります。当サイトでの分類はあくまで暫定的です。

スズメ目(Order Passeriformes)

イワサザイ、タイランチョウ、スズメの仲間です。3亜目を含みます。姉妹群はオウム目(Psittaciformes)です。


解説文更新:2018年11月06日

参考




(C) 2018 Tenkai Homepage