スズメ目(Passeriformes)

科レベルの分類(Families)


Order
亜目
Suborder
下目
Infraorder
小目
Parvorder
上科
Superfamily

Family
スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes







































スズメ目
Passeriformes
イワサザイ亜目
Acanthisitti
イワサザイ科
Acanthisittidae
タイランチョウ亜目
Tyranni
ヒロハシ下目
Eurylaimides
ヒロハシ科
Eurylaimidae
ヤイロチョウ科
Pittidae
タイランチョウ下目
Tyrannides
タイランチョウ小目
Tyrannida
マイコドリ科
Pipridae
カザリドリ科
Cotingidae
ハグロドリ科
Tityridae
タイランチョウ科
Tyrannidae
カマドドリ小目
Furnariida
アリドリ上科
Thamnophiloidea
アリドリ科
Thamnophilidae
ムナオビオタテドリ科
Melanopareiidae
アリサザイ科
Conopophagidae
カマドドリ上科
Furnarioidea
ジアリドリ科
Grallariidae
オタテドリ科
Rhinocryptidae
アリツグミ科
Formicariidae
カマドドリ科
Furnariidae
スズメ亜目
Passeri







































スズメ亜目
Passeri







































スズメ亜目
Passeri







































スズメ亜目
Passeri







































スズメ亜目
Passeri







































スズメ亜目
Passeri
コトドリ下目
Menurides
コトドリ上科
Menuroidea
コトドリ科
Menuridae
クサムラドリ科
Atrichornithidae
キノボリ下目
Climacterides
ニワシドリ上科
Ptilonorhynchoidea
ニワシドリ科
Ptilonorhynchidae
キノボリ科
Climacteridae
ミツスイ下目
Meliphagides
ミツスイ上科
Meliphagoidea
オーストラリアムシクイ科
Maluridae
ヒゲムシクイ科
Dasyornithidae
ミツスイ科
Meliphagidae
ホウセキドリ科
Pardalotidae
トゲハシムシクイ科
Acanthizidae
ハシリチメドリ下目
Orthonychides
オーストラリアマルハシ科
Pomatostomidae
ハシリチメドリ科
Orthonychidae
カラス下目[1]
Corvides

































カラス下目[1]
Corvides
ウズラチメドリ上科
Cinclosomatoidea
ウズラチメドリ科
Cinclosomatidae
サンショウクイ上科
Campephagoidea
サンショウクイ科
Campephagidae
モフアムシクイ上科
Mohouoidea
モフアムシクイ科
Mohouidae
オーストラリアゴジュウカラ上科
Neosittoidea
オーストラリアゴジュウカラ科
Neosittidae
コウライウグイス上科
Orioloidea
ホオダレモズガラ科
Eulacestomidae
カンムリハナドリ科
Paramythiidae
カンムリモズビタキ科
Oreoicidae
モズヒタキ科
Pachycephalidae
コウライウグイス科
Oriolidae
シラヒゲドリ科
Psophodidae
モズモドキ科
Vireonidae
ヤブモズ上科
Malaconotoidea
メガネヒタキ科
Platysteiridae
モズサンショウクイ科
Tephrodornithidae
メガネモズ科
Prionopidae
ヤブモズ科
Malaconotidae
ハシビロヒタキ科
Machaerirhynchidae
オオハシモズ科
Vangidae
フエガラス科
Cracticidae
ブタゲモズ科
Pityriaseidae(Pityriasidae)
モリツバメ科
Artamidae
ヒメコノハドリ科
Aegithinidae
カラス上科[2]
Corvoidea
モズ科
Laniidae
オウチュウ科
Dicruridae
オウギビタキ科
Rhipiduridae
カササギヒタキ科
Monarchidae
カラス科
Corvidae
ズアオチメドリ科
Ifritidae
クロチメドリ科
Melampittidae
オオツチスドリ科
Corcoracidae
フウチョウ科
Paradisaeidae
スズメ下目
Passerides







































スズメ下目
Passerides







































スズメ下目
Passerides







































スズメ下目
Passerides
パプアハナドリ小目
Melanocharitida
パプアハナドリ科
Melanocharitidae
フウチョウモドキ小目
Cnemophilida
フウチョウモドキ科
Cnemophilidae
ホオダレムクドリ小目
Callaeida
ホオダレムクドリ科
Callaeidae
シロツノミツスイ科
Notiomystidae
オーストラリアヒタキ小目[3]
Petroicida
オーストラリアヒタキ科
Petroicidae
クイナチメドリ小目[3]
Eupetida
ハゲチメドリ科
Picathartidae
クイナチメドリ科
Eupetidae
イワトビヒタキ科
Chaetopidae
スズメ小目[3]
Passerida







































スズメ小目[3]
Passerida







































スズメ小目[3]
Passerida
シジュウカラ上科
Paroidea
センニョヒタキ科
Stenostiridae
ムシクイヒタキ科
Hyliotidae
シジュウカラ科
Paridae
ツリスガラ科
Remizidae
ウグイス上科
Sylvoidea
ムシクイヒヨ科
Nicatoridae
ヒゲガラ科
Panuridae
ヒバリ科
Alaudidae
ハシナガムシクイ科
Macrosphenidae
セッカ科
Cisticolidae
ヒメサザイチメドリ科
Pnoepygidae
ヨシキリ科
Acrocephalidae
センニュウ科(オオセッカ科)
Locustellidae(Megaluridae)
ミズベマネシツグミ科
Donacobiidae
テトラカヒヨドリ科
Bernieridae
ヒヨドリ科
Pycnonotidae
ツバメ科
Hirundinidae
メボソムシクイ科
Phylloscopidae
ウグイス科
Cettiidae
エナガ科
Aegithalidae
ダルマエナガ科
Sylviidae
メジロ科
Zosteropidae
アカガシラチメドリ科
Timaliidae
チメドリ科
Pellorneidae
ガビチョウ科
Leiothrichidae
キクイタダキ上科
Reguloidea
キクイタダキ科
Regulidae
レンジャク上科
Bombycilloidea
シロボシサザイチメドリ科
Elachuridae
レンジャクモドキ科
Ptilogonatidae
レンジャク科
Bombycillidae
ミミグロレンジャク科
Hypocoliidae
ヤシドリ科
Dulidae
ミドリモズビタキ科
Hylocitreidae
ヒタキ上科
Muscicapoidea
ウシツツキ科
Buphagidae
マネシツグミ科
Mimidae
ムクドリ科
Sturnidae
カワガラス科
Cinclidae
ツグミ科
Turdidae
ヒタキ科
Muscicapidae
キバシリ(ゴジュウカラ)上科
Certhioidea(Sittoidea)
ゴジュウカラ科
Sittidae
カベバシリ科
Tichodromidae
キバシリ科
Certhiidae
ミソサザイ科
Troglodytidae
ブユムシクイ科
Polioptilidae
スズメ上科
Passeroidea
オナガミツスイ科
Promeropidae
ノドボシツグミヒタキ科
Modulatricidae
ハナドリ科
Dicaeidae
タイヨウチョウ科
Nectariniidae
バライロマシコ科
Urocynchramidae
ルリコノハドリ科
Irenidae
コノハドリ科
Chloropseidae
オリーブアメリカムシクイ科
Peucedramidae
イワヒバリ科
Prunellidae
ハタオリドリ科
Ploceidae
カエデチョウ科
Estrildidae
テンニンチョウ科
Viduidae
スズメ科
Passeridae
セキレイ科
Motacillidae
アトリ科
Fringillidae
ツメナガホオジロ科
Calcariidae
バラムネフウキンチョウ科
Rhodinocichlidae
ホオジロ科
Emberizidae
ゴマフスズメ科
Passerellidae
ズグロヤシフウキンチョウ科
Phaenicophilidae
アメリカムシクイ科
Parulidae
ムクドリモドキ科
Icteridae
ヨゴレフウキンチョウ科
Mitrospingidae
マミジロミツドリ科
Coerebidae
フウキンチョウ科
Thraupidae
ショウジョウコウカンチョウ科
Cardinalidae


分類表更新:2018年11月


  1. ^ 広義のカラス上科(Corvoidea sensu lato)
  2. ^ 狭義のカラス上科(Corvoidea sensu stricto)
  3. ^ 広義のスズメ小目(Passerida sensu lato)


スズメ目(Order Passeriformes)

イワサザイ、タイランチョウ、スズメの仲間です。3亜目131科を含みます。姉妹群はオウム目(Psittaciformes)です。

(当サイトの科分類は主に国際鳥類学会議(IOC)(Wikipedia)によっていますが、一部他の学説も採用しているため、科数は目安とさせてください。)

鳥類の中で最も繁栄している目であり、科数は鳥類最大(2番目はチドリ目の20)、種数も鳥類全体の約10400に対して約6200と、過半数を占めています。

陸鳥クレードのためか、水鳥が非常に少なく、ほとんどが陸鳥です。他目鳥類に比べて、鳴管(鳴くための器官)が発達しているのが特徴です。比較的小型の種が多いです。

3亜目間の関係は以下の通り。

イワサザイ亜目(Suborder Acanthisitti)

イワサザイの仲間です。イワサザイ科(Acanthisittidae)1科のみを含みます。ニュージーランドにのみ生息しています。

スズメ目の中で最も初期に分岐したとされます。姉妹群は(タイランチョウ亜目 + スズメ亜目) = Eupasseresです。

現生種はイワサザイ(Xenicus gilviventris)とミドリイワサザイ(Acanthisitta chloris)の2属2種のみから成ります。

絶滅した飛べない鳥†スチーフンイワサザイ(Xenicus lyalli)もこのグループに所属しています。

タイランチョウ亜目(Suborder Tyranni)

ヒロハシ、タイランチョウ、カマドドリの仲間です。2下目13科を含みます(下目数や科数は研究内容によって異なります)。

亜鳴禽類(Suboscines)とも。種数は約1000余りで、スズメ目全体としては一部となります。姉妹群はスズメ亜目です。

日本に生息しているのはヒロハシ下目ヤイロチョウ科のヤイロチョウ(Pitta nympha)のみです。

ヒロハシ下目(Infraorder Eurylaimides)

旧世界亜鳴禽類(Old World suboscines)とも。ヒロハシ、ヤイロチョウの仲間です。2科を含みます。

旧世界亜鳴禽類の名の通り、旧世界(ユーラシアやアフリカ)を中心に生息しています。日本にはヤイロチョウが生息しています。

タイランチョウ下目(Infraorder Tyrannides)

新世界亜鳴禽類(New World suboscines)とも。タイランチョウ、アリドリ、カマドドリの仲間です。2小目11科を含みます。

新世界亜鳴禽類の名の通り、新世界(南北アメリカ)を中心に生息しています。当クレードに下目の階級を与えず、下位分類のタイランチョウ小目とカマドドリ小目に下目の階級を与える分類もあります。

タイランチョウ小目(Parvorder Tyrannida)

マイコドリ、カザリドリ、ハグロドリ、タイランチョウの仲間です。4科を含みます。当クレードに下目の階級を与える分類もあります。その場合はタイランチョウ下目(Infraorder Tyrannides)となります。

カマドドリ小目(Parvorder Furnariida)

アリドリ、カマドドリの仲間です。2上科7科を含みます。当クレードに下目の階級を与える分類もあります。その場合はカマドドリ下目(Infraorder Furnariides)となります。

スズメ亜目(Suborder Passeri)

コトドリ、キノボリ、ミツスイ、ハシリチメドリ、カラス、スズメの仲間です。6下目117科を含む非常に大きなグループです(下目数や科数は研究内容によって異なります)。

鳴禽類(Oscines)とも。種数は5000以上で、スズメ目の大半を占めます。鳴禽類の名の通り、よく(さえず)る鳥が多いです。姉妹群はタイランチョウ亜目です。

カラス、モズ、スズメ、ツバメ、ウグイス、シジュウカラなどが有名です。日本で知名度の高い種のほとんどはカラス下目かスズメ下目に所属しています。

コトドリ下目(Infraorder Menurides)

Menuraeとも。コトドリ、クサムラドリの仲間です。1上科2科を含みます。オーストラリアにのみ生息しています。

スズメ亜目の中で最も初期に分岐したとされます。姉妹群は他の5下目全て(Passeres)となります。

キノボリ下目(Infraorder Climacterides)

ニワシドリ、キノボリの仲間です。1上科2科を含みます。オーストラリアとニューギニアに生息しています。

スズメ亜目の中でコトドリ下目の次に分岐したとされます。姉妹群はコトドリ下目以外の4下目となります。

ミツスイ下目(Infraorder Meliphagides)

オーストラリアムシクイ、ヒゲムシクイ、ミツスイ、ホウセキドリ、トゲハシムシクイの仲間です。1上科5科を含みます。オーストラリア、ニューギニアおよびその周辺の島に生息しています。

スズメ亜目の中でキノボリ下目の次に分岐したとされます。姉妹群はコトドリ下目、キノボリ下目以外の3下目となります。

ハシリチメドリ下目(Infraorder Orthonychides)

オーストラリアマルハシ、ハシリチメドリの仲間です。2科を含みます。オーストラリアとニューギニアに生息しています。

スズメ亜目の中でミツスイ下目の次に分岐したとされます。姉妹群は(カラス下目 + スズメ下目)となります。

カラス下目(Infraorder Corvides)

ウズラチメドリ、サンショウクイ、モフアムシクイ、オーストラリアゴジュウカラ、コウライウグイス、ヤブモズ、カラスの仲間です。このクレードを指して、カラス上科と呼ぶ場合もあります(広義のカラス上科(Corvoidea sensu lato))。

スズメ亜目の6つある下目の中で、スズメ下目に次いで規模の大きいグループで、分類方法によって異なりますが、当サイトでは7上科30科を認めます。

基底部分の系統(ヤブモズ上科、カラス上科以外の5上科)はやや不確実で、当サイトの分類はあくまで暫定的です。

コウライウグイス上科(Superfamily Orioloidea)

カンムリモズビタキ、モズヒタキ、コウライウグイス、モズモドキなどの仲間です。研究内容によって異なりますが、当サイトでは7科を認めます(但しヤブモズ上科やカラス上科よりカラス下目の基底に位置するため、系統がやや不確実です)。

オーストラリアやニューギニアに生息する種が多いですが、一部はその他の地域にも生息しています。日本にはコウライウグイスが稀に渡来します。

このクレードには毒を持つ鳥(ピトフーイ)が多く存在します(コウライウグイス科、モズヒタキ科、カンムリモズビタキ科)。

ヤブモズ上科(Superfamily Malaconotoidea)

ヤブモズ、フエガラス、モリツバメなどの仲間です。研究内容によって異なりますが、当サイトでは10科を認めます。

アフリカやオーストラリア周辺などに生息しています。日本には生息していないためかやや馴染みが薄いです。

カラス上科(Superfamily Corvoidea)

モズ、カラス、フウチョウなどの仲間です。研究内容によって異なりますが、当サイトでは9科を認めます。広義のカラス上科(カラス下目)と区別する意味で、狭義のカラス上科(Corvoidea sensu stricto)と呼ぶ場合もあります。

カラス、カケス、カササギ、モズ、フウチョウ(ゴクラクチョウ)など有名な種が多く、世界中に分布しています。

モズは「はやにえ」を行うことで有名です。ワタリガラスはスズメ目最大種です。ズアオチメドリは毒を持つ鳥として知られています。

スズメ下目(Infraorder Passerides)

パプアハナドリ、フウチョウモドキ、ホオダレムクドリ、オーストラリアヒタキ、クイナチメドリ、スズメの仲間です。

スズメ亜目の6つある下目の中で、最も規模の大きいグループで、分類方法によって異なりますが、当サイトでは6小目76科を認めます。

基底部分の系統(スズメ小目以外)はやや不確実です。特にパプアハナドリ科はカラス下目とスズメ下目のどちらに所属するのか確定していません(当サイトでは暫定的にスズメ下目に所属させています)。

オーストラリアヒタキ小目、クイナチメドリ小目、スズメ小目の3小目は恐らく単系統で、広義のスズメ小目(Passerida sensu lato)と呼ぶ場合もあります。

スズメ小目(Parvorder Passerida)

シジュウカラ、ウグイス、キクイタダキ、レンジャク、ヒタキ、キバシリ、スズメの仲間です。世界中に分布しています。

スズメ下目の6つある小目の中で、最も規模の大きいグループで、分類方法によって異なりますが、当サイトでは7上科68科を認めます。

7上科間の関係は諸説ありますが、以下のような関係が提唱されています。

シジュウカラ上科(Superfamily Paroidea)

センニョヒタキ、ムシクイヒタキ、シジュウカラ、ツリスガラの仲間です。4科を含みます。恐らく姉妹群はウグイス上科です。

シジュウカラを始め、「~カラ(ガラ)」と呼ばれる鳥(カラ類)を多く含みます。

恐らくシジュウカラ科とツリスガラ科が姉妹群で、基底的なセンニョヒタキ科とムシクイヒタキ科の系統はやや不確実です。

ウグイス上科(Superfamily Sylvoidea)

ヒバリ、ヨシキリ、センニュウ、ヒヨドリ、ツバメ、ウグイス、エナガ、ダルマエナガ、メジロ、チメドリなどの仲間です。恐らく姉妹群はシジュウカラ上科です。

スズメ小目の7つある上科の中で、スズメ上科に次いで規模の大きいグループで、研究内容によって異なりますが、当サイトでは20科を認めます。

ウグイスは「ホーホケキョ」のさえずり声で有名です(メジロと混同されやすいことでも有名です)。オオヨシキリはカッコウに托卵されるイメージで有名です。エナガの名の由来は「柄長」です。

ウグイス上科の学名「Sylvoidea」はダルマエナガ科(Sylviidae)のズグロムシクイ属(Genus Sylvia)に由来します。ウグイス科(Cettiidae)ではありません。

日本ではダルマエナガやズグロムシクイよりもウグイスの方が有名なため、和名にはウグイス上科が使われています。

キクイタダキ上科(Superfamily Reguloidea)

キクイタダキの仲間です。キクイタダキ科(Regulidae)1科のみを含みます。スズメ小目の7つある上科の中で、1科のみで孤立した系統を成します。

キクイタダキは漢字で書くと「菊戴」であり、頭頂部の黄色い冠羽がその名の由来です。学名の「Regul~」は小さな王という意味で、しし座の1等星レグルス(Regulus)と語源が同じです。

レンジャク上科(Superfamily Bombycilloidea)

シロボシサザイチメドリ、レンジャクモドキ、レンジャク、ミミグロレンジャク、ヤシドリ、ミドリモズビタキの仲間です。6科を含みます。

シロボシサザイチメドリ科(Elachuridae)は元々ウグイス上科のアカガシラチメドリ科に所属していましたが、スズメ小目の基底付近で分岐した系統との研究結果から独立した科として分離されています。レンジャク上科の基底付近に含まれる説から当グループに含めています。

絶滅した†フサミツスイ科(Mohoidae)も当グループに含まれます。

ヒタキ上科(Superfamily Muscicapoidea)

ウシツツキ、マネシツグミ、ムクドリ、カワガラス、ツグミ、ヒタキの仲間です。6科を含みます。恐らく姉妹群はキバシリ上科です。

キュウカンチョウはオウム目の多くの鳥のように人の言葉を話すことができます。カワガラスはスズメ目には珍しい水鳥です。「~ヒタキ(ビタキ)」の和名を持つ種の多くがヒタキ科に所属します。

キバシリ上科(Superfamily Certhioidea)

ゴジュウカラ上科(Superfamily Sittoidea)とも。ゴジュウカラ、カベバシリ、キバシリ、ミソサザイ、ブユムシクイの仲間です。5科を含みます。恐らく姉妹群はヒタキ上科です。

ミソサザイ科の和名には「~サザイ」とありますが、イワサザイ科(亜目)とは特に近縁ではありません。

スズメ上科(Superfamily Passeroidea)

オナガミツスイ、ハナドリ、コノハドリ、カエデチョウ、スズメ、セキレイ、アトリ、ホオジロ、フウキンチョウなどの仲間です。

スズメ小目の7つある上科の中で、最も規模の大きいグループで、分類方法によって異なりますが、当サイトでは26科を認めます。

基底的なオナガミツスイ科はスズメ上科に含めない場合もあります。内部分類に2つのクレード(カエデチョウ・クレード(Estrild clade)とスズメ・クレード(Passerid clade))が確認されています。

さらにスズメ・クレード内部にはnine-primaried oscinesと呼ばれるクレードが確認されています。nine-primaried oscinesとは9枚の初列風切がある鳴禽類という意味であり、他のスズメ亜目は10枚の初列風切があることに対する語です。

nine-primaried oscines内部はアトリ科とアトリ科以外が姉妹群であり、アトリ科以外をNew World nine-primaried oscinesと呼びます(主に新世界(南北アメリカ)に生息しているため)。

スズメ上科、特にNew World nine-primaried oscinesの系統は完全に解けておらず、当サイトの分類は暫定的です。


解説文更新:2018年11月17日

参考




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