ヒト科(Hominidae)

亜種レベルの分類(Subspecies)


Family
亜科
Subfamily

Tribe
亜族
Subtribe

Genus

Species
亜種
Subspecies
ヒト科
Hominidae
オランウータン亜科
Ponginae
オランウータン属
Pongo
スマトラオランウータン
P. abelii
ボルネオオランウータン
P. pygmaeus
北西ボルネオオランウータン
P. p. pygmaeus
北東ボルネオオランウータン
P. p. morio
中央ボルネオオランウータン
P. p. wurmbii
タパヌリオランウータン
P. tapanuliensis
ヒト亜科
Homininae
ゴリラ族
Gorillini
ゴリラ属
Gorilla
ニシゴリラ
G. gorilla
ニシローランドゴリラ
G. g. gorilla
クロスリバーゴリラ
G. g. diehli
ヒガシゴリラ
G. beringei
マウンテンゴリラ
G. b. beringei
ヒガシローランドゴリラ
G. b. graueri
ヒト族
Hominini
チンパンジー亜族
Panina
チンパンジー属
Pan
チンパンジー
P. troglodytes
ツェゴ(中央)チンパンジー
P. t. troglodytes
ナイジェリアチンパンジー
P. t. ellioti(vellerosus)
ケナガ(東)チンパンジー
P. t. schweinfurthii
マスク(西)チンパンジー
P. t. verus
ボノボ
P. paniscus
ヒト亜族
Hominina
ヒト属
Homo
ヒト(ホモ・サピエンス)
H. sapiens
ヒト(現生人類)
H. s. sapiens


分類表更新:2017年12月


ヒト科(Family Hominidae)

オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトの仲間です。姉妹群はテナガザル科(Hylobatidae)です。

類人猿の中では体が大きいため、大型類人猿(great ape)とも呼ばれます。

かつてはヒトのみをヒト科とし、ヒト以外の動物(オランウータン属、ゴリラ属、チンパンジー属)はオランウータン科と称されていましたが、系統解析の結果、ヒト属とチンパンジー属が姉妹群であることが分かり、伝統的な意味でのオランウータン科の分類は使われなくなっています(オランウータン属のみをオランウータン科とみなす分類はあります)。

オランウータン亜科(Subfamily Ponginae)

オランウータンの仲間です。オランウータン属(Pongo)のみから成ります。3種が存在します。

オランウータン(Orangutan)とは、森の人(orang(人)hutan(森))という意味です。

属名 Pongo とは、16世紀にアフリカで発見された人のような怪物に由来するとされます。

スマトラオランウータン(Pongo abelii)

スマトラ島に生息しているオランウータンです。かつてはボルネオオランウータンの亜種とする説が有力でしたが、現在では独立種とする説が有力です。

ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)

ボルネオ島に生息しているオランウータンです。3つの亜種が存在します。

タパヌリオランウータン(Pongo tapanuliensis)

スマトラ島の南タパヌリ県に生息しているオランウータンです。形態や系統解析から別種とするのが妥当と判断され、2017年11月に新種と報告されました。

ヒト亜科(Subfamily Homininae)

ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトの仲間です。このグループのみをヒト科とみなす分類もあります。

ゴリラ族(Tribe Gorillini)

ゴリラの仲間です。ゴリラ属(Gorilla)のみから成ります。2種が存在します。ヒト族とは姉妹群となります。

霊長目最大の生物として知られています。力は強いですが、おとなしく、臆病であるとされます。

ニシゴリラ(Gorilla gorilla)

赤道付近のアフリカ西部に生息しているゴリラです。2つの亜種が存在します。

ヒガシゴリラ(Gorilla beringei)

赤道付近のアフリカ東部に生息しているゴリラです。2つの亜種が存在します。

ヒト族(Tribe Hominini)

チンパンジー、ボノボ、ヒトの仲間です。チンパンジー属(Pan)とヒト属(Homo)の2属から成ります。ゴリラ族とは姉妹群となります。

チンパンジー亜族(Subtribe Panina)

チンパンジー、ボノボの仲間です。チンパンジー属(Pan)のみから成ります。2種が存在します。

属名 Pan とは、ヒトに近い生物であることから、ギリシア神話に登場する半人半獣の牧神パーンに因んで名付けられています。

チンパンジー(Pan troglodytes)

別名ナミチンパンジー。一般的にチンパンジーと言えば当種を指します。アフリカ中部に生息しています。4つの亜種が存在します。

力が強く、気性が荒いため、猛獣とみなされることもあります。

ボノボ(Pan paniscus)

別名ピグミーチンパンジー。アフリカ中部(現在のコンゴ民主共和国)に生息しています。

チンパンジーと比較すると少し体が小さく、気性がおとなしいと言われています。

ヒト亜族(Subtribe Hominina)

チンパンジー属よりヒトに近いグループです。過去には†アウストラロピテクス属(Australopithecus)や†パラントロプス属(Paranthropus)などが生息していましたが、現在ではヒト属を除いて全て絶滅しています。

属名 Homo とは、ラテン語でヒトという意味です。

ヒト属に所属する生物は現在ではホモ・サピエンス(Homo sapiens)のみです。過去には†ホモ・エレクトス(H. erectus)や†ネアンデルタール人(H. neanderthalensis)などが生息していましたが、ホモ・サピエンスを除いて全て絶滅してしまいました。

ヒト(ホモ・サピエンス)(Homo sapiens)

私たちヒトです。サピエンス(sapiens)とは賢いという意味があり、その名の通り高い知能を有しています。世界中に生息域を広げています。

直立二足歩行を行い、自由になった前足は手と呼ばれるようになり、道具を器用に使うことができます。

現生人類はたった1つの現生亜種ホモ・サピエンス・サピエンス(Homo sapiens sapiens)とされます。

過去には亜種†ホモ・サピエンス・イダルトゥ(H. s. idaltu)が存在しました。また、†ネアンデルタール人もホモ・サピエンスの亜種(H. s. neanderthalensis)とする学説もあります。


解説文更新:2018年08月05日

参考




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