霊長目(サル目)(Primates)

亜科レベルの分類(Subfamilies)


Order
亜目
Suborder
下目
Infraorder
小目
Parvorder
上科
Superfamily

Family
亜科
Subfamily
霊長目(サル目)
Primates
曲鼻猿亜目
Strepsirrhini
キツネザル下目
Lemuriformes
アイアイ上科
Daubentonioidea
アイアイ科
Daubentoniidae
キツネザル上科
Lemuroidea
コビトキツネザル科
Cheirogaleidae
キツネザル科
Lemuridae
イタチキツネザル科
Lepilemuridae
インドリ科
Indridae
ロリス下目
Lorisiformes
ロリス科
Loridae
ガラゴ科
Galagonidae
直鼻猿亜目
Haplorhini
メガネザル下目
Tarsiiformes
メガネザル科
Tarsiidae
真猿下目
Simiiformes
広鼻小目
Platyrrhini
オマキザル上科
Ceboidea
オマキザル科
Cebidae
オマキザル亜科
Cebinae
ヨザル亜科
Aotinae
マーモセット亜科
Callitrichinae
クモザル科
Atelidae
ホエザル亜科
Alouattinae
クモザル亜科
Atelinae
サキ上科
Pithecioidea
サキ科
Pitheciidae
ティティ亜科
Callicebinae
サキ亜科
Pitheciinae
狭鼻小目
Catarrhini
オナガザル上科
Cercopithecoidea
オナガザル科
Cercopithecidae
オナガザル亜科
Cercopithecinae
コロブス亜科
Colobinae
ヒト上科
Hominoidea
テナガザル科
Hylobatidae
ヒト科
Hominidae
オランウータン亜科
Ponginae
ヒト亜科
Homininae


分類表更新:2017年11月(2019年11月改訂)


霊長目(サル目)(Order Primates)

キツネザル、メガネザル、オマキザル、オナガザル、類人猿、ヒトなどいわゆるサルの仲間です。姉妹群は皮翼目(ヒヨケザル目)(Dermoptera)です。

比較的知能の高い種が多いです。「霊長」とは優れたもの、不思議な力を持っているものという意味があります。

当サイトの霊長目分類は主に[日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ(2018)]に従っています(*1)

内部分類は以下の説が有力です(曲鼻猿亜目は上科、直鼻猿亜目は小目まで)。

曲鼻猿亜目(Suborder Strepsirrhini)

キツネザル、アイアイ、ロリス、ガラゴの仲間です。メガネザルは含みません(かつてはメガネザルを含めて原猿亜目(Prosimii)と呼んでいました)。

鼻腔が曲がっていることから、「曲鼻猿」の名前が付いています。サルとしてはやや原始的なグループです。

ビタミンCの体内合成能力が失われていません。夜行性の種が多く、目にタペータム(反射膜)を備えています。

下位分類として、当サイトでは[日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ(2018)]を採用しています。

キツネザル下目(Infraorder Lemuriformes)

アイアイ、キツネザル、コビトキツネザルの仲間です。マダガスカルと周辺の島のみに生息しています。

なお、分類方法によってはアイアイを含めない説もあります。

アイアイ上科(Superfamily Daubentonioidea)

アイアイ(Daubentonia madagascariensis)のみで成り立っています。マダガスカルのみに生息しています。夜行性です。

日本では童謡で親しまれていますが、現地では悪魔の使いとされ、嫌われがちです。

なお、アイアイ下目(Infraorder Chiromyiformes)に分類する説もあります。

キツネザル上科(Superfamily Lemuroidea)

キツネザル、コビトキツネザルの仲間です。マダガスカルと周辺の島のみに生息しています。昼行性と夜行性の種が混在しています。

キツネに似ていることから「キツネ」ザルと名が付いていますが、れっきとしたサルの仲間です。

なお、コビトキツネザル科はコビトキツネザル上科(Superfamily Cheirogaleoidea)に分類する説もあります。

ロリス下目(Infraorder Lorisiformes)

ロリス、ガラゴの仲間です。アジアやアフリカに生息しています。夜行性です。

直鼻猿亜目(Suborder Haplorhini)

メガネザル、オマキザル、オナガザル、類人猿、ヒトの仲間です。メガネザル類と真猿類が近縁であると分かってきたため設けられたグループです。

鼻腔が真っ直ぐであることから、「直鼻猿」の名前が付いています。ビタミンCの体内合成能力が失われています。

メガネザル下目(Infraorder Tarsiiformes)

メガネザルの仲間です。かつては他の原猿類(曲鼻猿亜目)と近縁だと思われていましたが、実際は真猿類に近縁です。

夜行性ですが、目にタペータムを備えていないため、代わりに目を大きく進化させたと考えられています(「メガネ」ザルと呼ばれる理由)。

真猿下目(Infraorder Simiiformes)

オマキザル、オナガザル、類人猿、ヒトの仲間です。いわゆる真猿類です。

かつては亜目階級でしたが、直鼻猿類の下位分類であるため、現在では下目(Infraorder)階級とするのが一般的です。

ヨザルの仲間を除いて昼行性です。

広鼻小目(Parvorder Platyrrhini)

オマキザル、ヨザル、マーモセット、クモザル、サキの仲間です。南北アメリカに生息していることから新世界ザルと呼ばれます。

鼻の穴の間隔が広いことから「広鼻」の名前が付いています。

かつては下目階級でしたが、真猿類が下目階級となったため、一段下げて小目(Parvorder)階級としています。

大半の種でメスが3色型色覚を獲得しています。オスは2色型色覚のままです。

狭鼻小目(Parvorder Catarrhini)

オナガザル、類人猿、ヒトの仲間です。アフリカやアジアに生息していることから旧世界ザルと呼ばれます(ヒトのみ全世界に進出)。

鼻の穴の間隔が狭いことから「狭鼻」の名前が付いています。

かつては下目階級でしたが、真猿類が下目階級となったため、一段下げて小目(Parvorder)階級としています。

メスのほとんど、オスの大半で3色型色覚を獲得しています。

オナガザル上科(Superfamily Cercopithecoidea)
= オナガザル科(Family Cercopithecidae)

オナガザル、マントヒヒ、マンドリル、ニホンザル、コロブスなどの仲間です。オナガザル科1科のみで成り立っています。

「オナガ」ザルと名がついていますが、ニホンザルのように尾の短い種も存在します。

ニホンザルが含まれるためか、日本語の「サル」のイメージに一番合致するグループです。

ヒト上科(Superfamily Hominoidea)

類人猿(= テナガザル、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ)、ヒトの仲間です。

尾は失われています。知能が高いのが特徴です。

テナガザル科(Family Hylobatidae)

テナガザルの仲間です。ヒト科(オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒト)とは姉妹群となります。

前足が長いのが特徴です(「テナガ」ザルという名前の由来)。樹と樹の間を腕渡り(ブラキエーション)します。

類人猿の中では体が小さいため、小型類人猿(lesser ape)とも呼ばれます。

ヒト科(Family Hominidae)

オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボ、ヒトの仲間です。テナガザル科とは姉妹群となります。

類人猿の中では体が大きいため、大型類人猿(great ape)とも呼ばれます。


解説文更新:2018年07月23日(2019年11月17日改訂)

  1. ^ 但し、ヒト科の亜科階級など、細かい差異はあります。

参考




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